人を愚かにする読書

最近、読書は人を愚かにするのではないかと思い始めてきた。
勿論、ある条件に限定された話であるが。
すなわち「読書だけを行うこと」は、その人を愚かにする一方なのではないか、と思うのである。


読書とは、書に記された「知識」に己が身を投じる行為である。
書に記された「知識」に身を委ねることは、その分、己の直感や感性を封じ、周囲の者の声に耳を塞ぐことになる。
書を信ずることは己を疑い、周囲の者を疑うことである。
もし、書のみに身を委ねてしまったら、その者はますます孤立し、疑り深くなり、行動が慎重になり、鈍重になり、終いには身動きがとれなくなってゆく・・・。


そういう意味で、書に溺れることは、その人をますます愚かにしていくことなのではないか、と考えるようになってきた。