虚無の浜辺にて

ふたりは少しはなれて座っている
ひとり分くらいはなれて


ふたりは前を向いている
決して横を向くことはない


ふたりは言葉を交わすことがない
ただ静かに座っている


わかっている
アナタハソコニイル
ただそれだけで
ワタシハミタサレル


無限の時が流れていく
いつしかふたりはひとつになり
すなとなり
かぜとなり
えいえんとなる