このまま、私が何も語ることなくこの世を去ってしまったとしたら、
私が抱いていた夢や希望は、
私の挫折や失望は、
私に見えた世界のあり方は、
私が紡いできた物語の全ては、
誰にも知られることのないまま、
始めからそんなものはなかったことになってしまうのだろう。
それは私が自らに嵌めた枷であり、
傲慢と怯懦の帰結であり、
運命であったとしても、
少しだけ哀しい、
そう思った。