男、この、やっかいな生き物

生物としての男性が、肉体的にも精神的にも不安定で脆い存在であることは、近年有名な著者が方々で書いているので、ある程度人口に膾炙していると思う。
(直近だと、福岡さんの『できそこないの男たち』)


ほとんど全ての男性が自己のコントロール出来ていない。
性衝動もさることながら、精神的な不安定さ、ストレス耐性の低さも、男性に顕著だ。


例え1次的欲求が満たされていたとしても(まあ、満たされているからこそ、という側面もあるのだろうが)、男性の精神は安定しない。
男性が必要とするもの、それは、
自己肯定感
である。
自分が有用であること、自分の成した行為が有効であること、自分が必要とされていること、これらを日々実感していないと、男性は不安になる。
要は認めてもらいたいのだ、自分の存在を。


だが、男性が大好きな「仕事」(私は大嫌いだが)において、満足のいくような正のフィードバックが返ってくることなどそうそうない。
だから、プライベートでは、とにかく自分が肯定されていることを確認したがる。
(キャバクラの経営が成り立っているのは、男性が自分をヨイショしてくれる存在を必要とする不安定で不完全な生き物だからだ。この辺りは以前ノートに書いた)
世間では女性の自立、女性の自立、と叫ばれているが、じゃあ男性は自立しているのかというと、そうでもない。
むしろ経済的な部分以外では依存しているのは完全に男性の方ではないか。
(しかもその経済的なものは、国家の意図的な操作によってたまたまそうなっているだけであって、真に実力でヨーイ・ドンと競争した場合に現在の何割の男性が今の地位を保てているかは疑問である)


つくづく男性とはやっかいな生き物である。