聖域無き結婚生活

書名:「わがまま結婚(ふたり) 生活」のすすめ―結婚しても「自分の時間」を楽しみたいあなたへ
著者:吉元由美


■評価:可
  情報:△ 新規性:△ 構成:△ 日本語:○ 実用性:△
  難易度:易 費用対効果:△ タイトルと内容の一致:○
  お勧め出来る人・用途 :結婚しても今のライフスタイルを保てるか不安な人・結婚しても今のライフスタイルを保つためのヒントを得る
  お勧めできない人・用途:結婚しても今のライフスタイルを貫きたいと考えている人・結婚しても今のライフスタイルを貫き通すための方法を取得する


■所感
 上記の「お勧め・非お勧め」の差異は、本人に譲歩の意志があるかないかの違い。
 結婚するということは少なくとも何らかの譲歩を必要とすることであるから、「自分は全く今の生活を変えたくはありません」という人はそもそも結婚してはならない。


 それでも結婚したい、けど、自分も保ちたい、という願望は決してわがままではない。
 それなりのコツというものはある。
 が、結局は、一般的に言われていることと大して変わらない。


 「無理をして」相手に合わせない。
 自分を「殺さ」ない。
 お互いの「領域」を尊重する。
 お互いの「時間」を尊重する。


 どれも一般論である。
 違いといえば、これまでそれはあくまで「建前」に過ぎなかったことが、今は手に入るものになっていることぐらいか。
 相手も人間ということで運・不運の要素が大きいため、ただし本書の著者のようにそれなりに自分の「わがまま」を貫き通せるとは限らない。


 とみてきたように、本書は雄弁なようで実はあまり語っていない。
 ピンポイントでタイトルにピンと来る人以外は特に読む必要のない本だろう。


■読了日
2010/05/05