私を変えた大切な2つの経験

こちらから積極的に「人に会おう」と行動するようになった。
以前の私からするととても考えられないことだ。


勿論、良い兆候であると考える。
生涯独りの私にとって、一人になる時間など腐るほどある。
人と会い、コミュニケーションをとり(とれているかどうかは別として、その努力をして)、情報を交換し、(たとえ少しずれていたとしても)共に感じ、物語を共有すること。
そのような貴重な機会を逃す手はない。
だから多少迷惑を承知で積極的にアプローチを試みる。


明らかに私は変わった。
1つは昨年度の営業「系」社員としての経験である。
わずか5ヶ月であったが、この5ヶ月の間に(胃腸が捻れる苦しみを味わいながら)とても貴重な経験をした。
自分の言葉が通じない世界を経験し、そもそも言葉なんか通じないような世界を垣間見、それでも人は言葉で思考するから言葉で語らなければならない。
「言わなくても察してね」はビジネスの現場では甘えでしかない(勿論こちらはお客様のことをきちんと「察する」努力が求められるが)。
否が応でもコミュニケーションの力は高まるし、積極性も出てくる。
求める結果を得ようと思ったら、自分から積極的に動くしかないのである。
そうして私は失われていた機能の一部を回復した。


そして苦しみながらも自分を変えることができたのは、ある方との出会いがあったからである。
その方と初めてお会いしたとき、まだ私は自分の中に閉じこもっていた。
しかしその方の積極的な働きかけにより、私の不必要に過剰な他者に対する武装は解きほぐされていった。
そしてまた、いつの間にか私は自ら切り捨てた失われた感情の一部を取り戻していた。
私は人前で笑顔を見せる自分にしばし戸惑ったものだ。


かつて

nullusさんて笑うんだ

と言われていた私が
客としてもてなされヨイショされているとはいえ、「普通」の態度で会話のキャッチボールをしている......時に笑い、時に笑わせ、その場の雰囲気を楽しんでいる......。
かつての私が忌み嫌った私がそこにいた。
だが、不思議と、
そのことに対する否定的な感情は湧き起こらなかった。