■
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/08/10
- メディア: 雑誌
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
普段雑誌を毛嫌いしているこの人が、自ら求めて雑誌に手を出すのは何らかの理由がある。
文春の場合、それは非常に解りやすい。
勿論、芥川賞受賞作狙いである。
で、肝心の作品は、といえば。
退屈、の一言。
これが芥川賞受賞作なのか?
こんなもので芥川賞がとれるのか?
思想も葛藤も何もない。
ただただ流れていく時とちょっとした感想めいたことをだらだらと綴っているだけ。
という訳で、一言で評するなら、
ブログ小説
と、なるだろうか。
そう、まさにブログを読んでいるような感覚だった。
今回の受賞作の著者は会社員、ということで、本来ならば「忙しい仕事の合間時間を使いながらも、これだけのことが出来るのか」と励まされるべきところなのであるが、私が感じたのは、
一生をかけてこの程度の物語しか生み出せないというのはつまらない
ということだった。
この感じは絶望的と言って良い。
まあ、著者の年齢から考えると「半生」というのが正しい記述となるのだが、私は選者の一人が述べていた意見とは異なり、これ以降著者が大きく「化ける」ことは無いと思う。
(まして、芥川賞、である)
ということで、芥川賞受賞作を読むという目的だけを考えると、本書は敢えて買うほどのものでもなかったということになる。
まあ、佐野さんの鳩山家分析が、「さすが」と言わせるだけの素晴らしいものだったので、支払った分の対価は十分に得た。