定額給付金は、政府の失政に対するプロテストという意味で受け取りを拒絶したが、「エコポイント」は申請してみようと思った。
矛盾しているように見えるが、きちんと意図がある。
サンプロで「エコポイント」は手続きが煩雑で、まるで「官の仕事作り」のためのシステムではないか、という批判に対して、町村氏が「そんなことはない、これは民間で既に行われていることを取り入れたのだから」(だったら何で手続きまで民間にやらせないのか、というツッコミは一応おいておく)と宣っていたので、ではどれだけ「簡単」なのか試してやろう、という意図である。


結果。
面倒


誰がこんな面倒な手続きを喜んでやりますか、忙しい人が。
何が「既に民間で行われていること」だ。
こんな煩雑なポイント交換システムをとっている民間企業があったら、間違いなく潰れていますがな、消費者にそっぽを向かれて。
なんでポイントを交換するのに、

  • 保証書のコピー
  • リサイクル伝票のコピー
  • 領収書の原本(原本!)
  • その他必要な書類

を揃えて、製造番号やらなにやら全部記入して、交換用のコードを調べて記入して、名前・住所・電話番号書いて、署名・捺印して、切手貼ってポストに投函までしないといかんのじゃ。
(切手も勿論コピー代もコスト。ついでに言えば、機会費用の観点で言うとこの作業そのものもコスト)
普通の人は、説明の途中で、「もういいです。」と言って、二度とその店でものを買おうとしませんぜ。
(私は馬鹿正直に説明を全部聞いて、勉強会に遅刻しそうになって、焦って車に轢かれた。まあ、全部「エコポイント」のせいにするつもりはないけどね)


誰が考えたんだ、こんなひどいシステム。
もし官僚だとしたら、総選挙で政権がひっくり返った暁には、官僚も一度全部採用し直してもらいたいぐらいだ。
(法律上出来ないだろうが)
天下り」などするくらいなら、逆に民間から官にアドバイザーを取り込めと言いたい。


IT革命が聞いて呆れる。
この国のシステムは明らかに情報化についていけていない。
「世界第2位の経済大国」などもはや死語で(最近政府はようやくそのことを認め出したが)、現在の状況で既に経済システムとしては「後進国」(敢えて差別用語を使う)になってしまっているという危機感がどれだけあるか。
恐らく全くないのだろう。
この国の経済は、バブル崩壊前に蓄えた貯金の取り崩しでようやく持っているというボロボロの状態で、お先は真っ暗である。
新しい産業の萌芽すらない。
恐らく、高度経済成長期以前の何もない状態からまた「先進国」のお尻をおっかけるはめになるのだろうが、今度は肝心の働き手となる若者〜中年が皆疲れ切っていてやる気を失っているから、同様の奇跡を期待することは難しい。
これは教育の失敗であるから、今から対策を始めても、効果が現れるまでには少なくとも20年はかかる。
その間にこの国のプレゼンスは、G8はおろか、国連で発言を求められなくなるほどに低下していると思われるが、そこからまた今のような地位を回復できるかどうか。
見通しは暗い。


で、最初の話に戻って。
まあ、生活に窮しているときに、冷蔵庫が壊れて、最低限の出費で済まそうと思ったら処分と送料に思いの外お金をとられて(購入した冷蔵庫の8割以上!)、少々不機嫌だったところ、どうもその分(つまり支払った分の約4割)を「エコポイント」なるシステムで取り返せそうだということで申請を決意した、という辺りが本音っぽいが、そう書いてしまうと身も蓋もないので。
(もう書いているがな)