書名:カラー版 快適「自転車生活」入門
著者:中野 隆


良書。
ではあるが、同時に本書は「自転車生活」を始めることに対するハードルを上げてしまっている。
その点は賛否両論あるだろうが、まあ、安全やクオリティを重視するならば、本書を読んで尻込みするような人が安易に「自転車生活」に参入しない方がよいのだろう。
(残念ながら私も本書を読んで「ロードバイク」は買うまいと決意した一人。私のようなものぐさ人間には、本書で示されている最低限の手間をかけることはとうてい無理だと思った)


本書は文字通り、「自転車生活」への入門の書である。
「ママチャリ」を卒業して、本格的な自転車の購入を考えている人にお勧めの書。
そうでなくても、普段自転車を使用している人は、是非読んでおきたい本である。
それは決して、「ルール」や「マナー」を徹底しろ、ということだけではなく、自転車に関する最低限の基礎知識を身につけることは自分のためになり、必ずなんらかの形で役に立つことになるだろうから、という意味で、ということである。


個人的には「サイクリングプラン」の例示の部分は不要だと感じたが(首都圏限定であるという意味でも)、まあ、害にはならないので本書の評価を下げるほどの欠点ではない。


繰り返しになるが、本書を読んで「面倒だ」「自分には無理だ」と感じた人は「ロードバイク」には手を出さない方が良い。
その方が社会のためであり、何よりも自分のためでもある。
私もやめておくことにした。