タラ・ダンカン 若き魔術師たち(上)

タラ・ダンカン 若き魔術師たち(上)

書名:タラ・ダンカン 若き魔術師たち(上)
著者:ソフィー・オドゥワン・マミコニアン(山本知子:訳)


[8/28 追記]
ダメダメダメ。
ダメ3つ。
なにこれ。
こんなのがフランス人は好きなわけ??


フランス人の感性を疑うようなシリーズ。
頼むからフランスで売れたというのは嘘であって欲しいと強く願いたくなるようなダメ本。


上巻の読了(感想を書くため無理矢理読み終えた)から2ヶ月以上たっているが、ついぞ下巻を読みたいとは思わなかった。
それほどひどい。
今まで読んだファンタジーの中でもっともひどい本。


何がひどいって、設定と展開がめちゃめちゃ。
地獄とか悪魔とかバンパイアとか竜とか何でもかんでも詰め込めばいいってもんじゃないでしょ。
話の筋も展開もそもそもの設定もめちゃめちゃ。
主人公は強すぎて誰もかなわないし、性格も悪い。
どこを楽しんで誰に感情移入して読めばよいのかまったく解らない。


こんなのが売れているとすれば、それはよほど書に関する情報操作が進んでいるとしか考えられない。
加えて、とベストセラー本しか並ばない構造になっている現在の出版事情が佐野氏の考えられているような(参考:佐野眞一『 だれが「本」を殺すのか』)ひどい状態になっていることの現れなのだろう。


序盤の『ダレン・シャン』のひどさなど到底足下にも及ばない。
かのシリーズは最後まで読むとそれなりに楽しめたが、それは世界観をしっかりと作り込んでいたからである。
この世界観が土台では、どんな天才でもまともな物語は作れないだろう。


そのカオスぶりを楽しみたい人なら、読んでみても良いかも知れない。
まあ、途中で投げ出すと思うけど。