サロメの乳母の話 (新潮文庫)

サロメの乳母の話 (新潮文庫)

書名:サロメの乳母の話
著者:塩野七生


駄本。
タイトルが見るからに面白そうで、しかも塩野だからこれはもう間違いないだろうと思っていただけに裏切られた感が強い。
塩野が、こんな、つまらない本書くなんて・・・。


でもまあ塩野は小説家ではないんだよね。
たまたま地中海戦記三部作が素晴らしかったのでフィクションも凄いのだろうと勘違いしただけなのかもしれない(同作は3つとも史実を元にした歴史小説)。
或いはたまたまこの作品だけ筆が滑ったとか・・・。
そう、擁護したいのである。
なにせあの塩野のことだから。


歴史上の有名人を脇役の視点で語るという意欲作で、カリグラ帝の馬の話やブルータスの師の話などそこそこ読める作品もあるのだが、肝心の表題作や、キリストの弟の話などが凡庸で退屈なので、読者をがっかりさせる。
なんとなく最近読んだ浅田次郎の『珍妃の井戸』を思い出させられた。
勿論悪い意味で。


まあ、これは無かったことにして違う本を読もう。
ルネサンスとは何であったのか』に期待。