無為に過ごした時間は後悔の温床である。
だがそのようなことを意識することもまた自分を苦しめる遠因となる。
いずれにせよ時の流れの必然である。
だから思う。

時間よ止まれ


昨日、今日と立て続けに惨事に遭った。
昨日は、とある用事で同期の方と買い物に行き、分かれた直後に自転車の後輪が死んだ。
おかげで自転車屋まで(それでもまだ自転車屋があるところでやられて良かったとも言える)20分ほど自転車を押して歩くこととなった(チューブをはめ直すまではむしろ持って歩いていた)。
安月給に臨時支出が痛いことは言うまでもない。


今日は夕立に遭遇した。
もう少し早く出よう、と思っていたのだが、負けた悔しさを引きずって(高校野球、だと思っていただければよい)だらだらと試合を見ていたら日が暮れてしまっていた。
お昼過ぎから雷が鳴り出していて、これは一雨来るな、と思っていたのだが、食料の買い出しには行かざるを得ず、強行した。
店に入ってわずか20分後・・・。
外は土砂降り×強風+雷というさんざんな空模様となっていた。
夕立ならばと15分ほど待ってみたが雨はやむ気配が無かったので(もう20分待てば状況は変っていた)やはり強行した。
左手に傘(折りたたみ。以前の台風で骨が弱っている)、右手で自転車を押して歩いて帰ったのだが、両肩の荷物の重みと右腕にかかる自転車の重さでふらふらしていた(たぶん朝から何も食べていないのもまずかったのだろう)。
まあ、大型車両に思い切り水を跳ね上げられても何も感じないのだけれども。
自業自得ですから。

雨は万人に均しく降り注ぐ

機会は万人に均しく与えられる
それを生かすかどうかの違いだけである
そしてそれすらも運命の振り子の幅の中での出来事に過ぎない


明日から仕事である。
今度は何日持つだろうか。



マンガ フロイト入門―精神分析の創始者 (ブルーバックス)

マンガ フロイト入門―精神分析の創始者 (ブルーバックス)

人に本を貸すと、その人からのフィードバックがある。
それに応えるには自分の記憶が劣化している場合があるから、関連の書籍を読んで思い出そうとする。
良い循環であると信じている。
ところで(だから、単刀直入に結論をいわんかい!)同書は間違ってもフロイト「入門」ではない。
しかも、「マンガ」ですらない。
劇画タッチの絵本という方がむしろ正しくこれを言い表しているだろう。
あらかじめ知識のある者が読んで内容を反芻するにはよいが、曲がり間違って初心者がこの書を紐解くことがあったとしたら、何か変った春本の類と区別がつかないのではないか。
盛り込まれている情報は悪くないのだが、表現の仕方を(少なくとも入門と銘打つのであれば)考慮すべきであったように思う。


最近また「反戦平和」ものが流行っている。
時節柄解らなくもないが、小林よしのりのような批判に真っ向から立ち向かえるだけのパワーのあるものをみることはない。
以前に読んだ伊藤真なら対等に勝負出来ると思うのだが(若いし)。
本書も「反戦平和」の意図をもって企画されたのだと思われるが、収録された作品はどれも「微妙」な出来で強く訴えるものを持たない。
アドルフに告ぐ」もそうであるが、手塚の戦争物は今一つである。
本書に収録されている作品は、手塚の実体験に近いものが多く含まれているようであるが、その分客観視したりパロったりすることが出来ず、真面目で沈鬱な雰囲気を醸し出すばかりで観客に強く訴えることがない。
一言で言うと残念である。