↑6/29である。
記録のため。


進むべき道は決まった。
後は粛々と歩を進めるのみ。

胸を張って歩こう
刑場に向かう死刑囚のように      nullus


脳と性と能力 (集英社新書)

脳と性と能力 (集英社新書)

最近はやりの女脳・男脳議論に一石を投じるような書籍だと期待したのだが・・・。
全くの期待はずれ。
この論の趣旨は「脳は可塑性・可逆性を備えている」の一言である。
それならその旨とその論拠・証拠の提示だけで済む。
何も新書一冊にする必要もない。
「反論したいもの」があり、「結論」があらかじめ決まっていて書かれたような書籍。
著者が批判する「政治的」という言葉がまさにこの書籍に当てはまる。
確かに反論の対象となるものは「非科学的」だと証明されうるが、人々が求めているものは精緻な科学ではなく、納得のいく(そして面白い)「物語」の方である。
必要なのは物語であり、「科学」ではない。


さすがにこの頻度で同じ作品を出し続けると、質の低下は否めない。
前作までは読める内容であったが、今作には本来この作品が持っている魅力が感じられない。
主人公は破竹の勢いで調子に乗り続け、巻き起こる事件からはあの鋭い社会批判が失われている。
このシリーズももう限界だろう。
次作のタイトルは既に知っている。
とりあえず次作までは読む。
私が作者なら、次作で一度(あるいは永久に)このシリーズを終わりにするところだが・・・。