1人で十分でしょ

バタフライ・エフェクト 世界を変える力

バタフライ・エフェクト 世界を変える力

書名:バタフライ・エフェクト 世界を変える力
著者:アンディ・アンドルーズ( 弓場隆:訳 )

■評価:不可
  物語:× 情報:△ 斬新さ:× 意外性:× 含意の深さ:△ ムーブメント:× 構成:× 日本語:○
  お勧め出来る人 :−
  お勧めできない人:自己有用感を得たいと思っている人


■所感
 素材が悪すぎる。
 何故「20億の人々を救った」物語に固執し続けているのか解らない。
 つかみとしての提示だと思ったら最後の最後まで引っ張られた。
 

 これでは「あなたが生きていることは決して無駄にはなっていないんだよ」という本書が目的としているメッセージは伝わらない。
 かえって、「ああ、このぐらいの貢献をしないといけないんだ。自分には到底無理だ」と思わせてしまう。


 これを読んで「すばらしい」と感じた人は、間違いなく「自分に自信があり、自分が生きていることに価値があると信じており、そのことを何らかの形で感じ取っており、世の中の出来事に関心があり、その中に自分も関われているという実感を持っている」ような人である。
 即ち、本書が対象としたい人と正反対の人である。
 

 本書は何から何までが間違っている。
 素材の取り上げ方1つでここまで駄目な本を作れてしまうのか、ということに愕然とさせられた。


■読了日
2011/04/14