半分は数字。残りの半分は「政治」
- 作者: 坂田岳史
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/05/19
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (3件) を見る
著者:坂田岳史
■評価:優
情報:◎ 新規性:△ 構成:○ 日本語:○ 実用性:◎
難易度:やや難 費用対効果:◎ タイトルと内容の一致:○
お勧め出来る人・用途 :「中小企業診断士」の資格に興味がある人・会社の「仕組み」についての基礎知識を身につける
お勧めできない人・用途:会社の「政治」などに興味がある人・会社を動かしている目に見えない「力学」について学ぶ
■所感
まじめな本である。
その分内容はしっかりしている。
しかし、その手の本が陥りやすい「説明不足のままやたら情報を詰め込む」という危険は意識して回避されている。
やや難解な部分もあるが、かみ砕いて説明されているので、腰を落ち着けて取り組めば理解できないことはない。
内容としては、「会社法」(2006年に施行された「新会社法」)についての解説が中心。
会社の「仕組み」の説明としてよく取り上げられる財務(三)諸表についても比較的理解しやすい形で説明されており、その部分だけでも十分にかけただけのコストに見合う価値を得られる。
さすがは「中小企業診断士」といったところか。
本書は、「中小企業診断士」を目指しているような人にとっては、入門書として必読の書である。
と同時に、「そこまで深く『会社』について勉強する気はない」という社会人にとっても、(特にこれからの時代に)「ビジネスマン」として最低限求められる知識であるので、身につけておくべきであると考える。
「明日」には役に立たないかもしれないが、そう遠くない将来に必ず役に立つ知識であることは確か。
「普段新聞を読んでいるから」、という方でも知識を体系的に整理するのに適している良書であるので、是非一度読み通して欲しい。
千里の道も一歩から。
■読了日
2010/07/02