私は自由でありたい
- 作者: 沖川東横
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2008/09/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 5人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
著者:沖川東横
■評価:良
情報:△ 新規性:△ 構成:△ 日本語:○ 実用性:◎
難易度:易 費用対効果:○ タイトルと内容の一致:○
お勧め出来る人・用途 :女性に振り回されたくない男性・女性の恋愛技術について学習する
お勧めできない人・用途:別れた人とやり直したい女性・復縁のための手法を学ぶ
■所感
「占い師」が恋愛を語るものにろくなものを見たことがないが、本書は例外。
男性心理、生物学的・社会学的特徴をしっかりと捉えている優れた理論書である。
各所にちりばめられた指摘は鋭く、読んでいて「なるほど」と思わせるものばかりである。
著者はカウンセリングを行っているとのことだが、本書は「経験がものをいう」の良い例となっていると思われる。
勿論著者の論理的思考力と知識がそれらの経験を整合性のとれた合理的な理論にまとめているということは言うまでもない。
まあ、それだけ「男」が単純な生き物だということの証明でもあるのだが。
ちなみに本書は「男性を理解する」理論の書としてはなかなか良い点を付いている良書であるが、「実践の書」としてはあまり参考にはならない。
例えば随所に「復縁」の話が出てくるが、実際にアドバイスされている手段を実行したからといって、必ずしも「復縁」がかなうとは限らない。
まあ、著者としても「これであなたと彼は絶対にうまくいく」というような断定的な言い方はしていないので(この点は、本書が良書たるゆえんでもある)、そういう意味では、「0を0.1%にする」というくらいひいて読めれば何も問題はないが。
「自分を磨く」という姿勢に関しては、むしろ好感を持てる。
それにしても、男って本当に可哀想な生き物なのだな、とつくづく感じた。
「男は単純」から始まる本書で述べられている男性の生態はほとんどその通りであり、従って、そうであることにむなしさを覚える。
私はそういう「サガ」から自由でありたいと思っていろいろともがいているのだが、未だ逃れられているとは思えない。
こういう本を読むたび、思い知らされるのである。
「すべての男は消耗品」である、と。
そのことに真っ先に気づいた村上龍はやはりただものではない。
■読了日
2010/04/30