AUM
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/04/16
- メディア: ハードカバー
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著者:村上春樹
■評価:不可
物語:× 情報:△ 斬新さ:× 意外性:× 含意の深さ:△ ムーブメント:× 構成:△ 日本語:○
難易度:易 費用対効果:× タイトル:△
お勧め出来る人 :エンターテイメントを求めている人
お勧めできない人:純文学を求めている人
■所感
春樹って、大衆小説家だったっけ?
(今調べてみたら、春樹は芥川賞にノミネートされただけで実際には受賞していなかった。なるほど)
しかし、前はもう少し読み応えのある作品を書いていたように思うのだが。
少なくとも『ダンス・ダンス・ダンス』ぐらいまでは。
春樹って、サブカルの人間だっけ?
これって、いわゆる「セカイ系」だよね。
今流行の。
以前からそういう兆候はあったけれども、これだけあからさまな「セカイ系」をもってくるような人では無かったような・・・。
記憶違い?
で、やっぱり「オウム」。
教祖がいなくなった後のオウムそのものが描かれているが、それがたいした意味が無いのと同じように本作もたいした意味をなしていない。
少なくとも宗教的な側面からみれば。
しかし、「山梨県」ってねぇ。
結局、大塚英治の見立てが正しいということをさらに裏打ちするような内容になってしまっている。
物語論で読む村上春樹と宮崎駿 ――構造しかない日本 (角川oneテーマ21)
- 作者: 大塚英志
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 新書
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物語の稚拙さを考えると、「スターウォーズ」よりもひどい。
以前の春樹の作品は、もう少し「香しい」ものであったように思うが、今の春樹の作品はかなり「くさい」作品になってしまっている。
以前の作品は江國香織のそれと雰囲気がどこか似ている気がしていたのに、今はまったくそう感じない。
とにかく。
結論は一言。
つまらない。
エンターテイメント小説なら他にいくらでも質の良い作品がある。
春樹の出番はない。
■読了日
2010/04/21