これ、何日の研修?

ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの新人研修

ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの新人研修

書名:ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの新人研修
著者:大森久美子, 岡崎義勝, 西原琢夫, 宇治則孝


■評価:可
  情報:○ 新規性:△ 構成:△ 日本語:○ 実用性:△
  難易度:普 費用対効果:○ タイトルと内容の一致:△
  お勧め出来る人・用途 :SEの業務フローをおさらいしたい人・システム開発の一連のながれをさらう
  お勧めできない人・用途:これからSEになる人・研修やOJTの内容を予習する


■所感
 一言で言うと、中途半端。
 もう一言付け加えると、「実例」(社員食堂座席案内システム)が、現実離れしていてイメージが湧きづらい。


 どの項目に関しても説明が不足しているため、ソフトウェアエンジニアリングに関してまっさらな状態の人が読むと、ちんぷんかんぷんになること必至。
 目次を見てもらえば一目瞭然だが、とてもこのボリュームで説明しきれるものではない。
 それでも無理に詰め込もうとすると、本書のような状態になる。


 本書は紛れもなく初心者を対象とした「入門書」のつもりで作られた書籍であるが、敢えて「入門書」のタグはつけなかった。
 理由は上述の通りで、あまりにも内容を凝縮しすぎているので解ったようでまったく解らない。
 もし本当に「入門書」を探しているのであれば、素直に以下の2冊の姉妹本を読むことをお勧めする。

ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業(1)

ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業(1)

ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業(2)

ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業(2)

 見た目はかなり取っつきにくそうだが、実際には本書よりも説明が丁寧で、詳しい。
 上記「お勧めできない人」に該当する人は、この2冊を少々(大量には必要ない)読んだ方がよりよい理解が(結果的に)素早く身につくことは間違いない。


 使い道はあるのだが、敢えてそのためだけに使うのはもったいない。
 そう思わせてしまうような本。