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- 作者: 架神恭介,辰巳一世
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/05/11
- メディア: 文庫
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著者:架神恭介, 辰巳一世
■評価:良
情報:△ 新規性:○ 構成:○ 日本語:△ 実用性:○
難易度:普 費用対効果:○ タイトルと内容の一致:○
お勧め出来る人・用途 :「面白い」本を読みたい人:名著『君主論』の雰囲気を楽しみながら味わう
お勧めできない人・用途:冗談の通じない人:『君主論』のエッセンスを理解する
■所感
初めに断っておくと、本書はエンターテイメントの書である。
くれぐれも『君主論』をまじめに論じた入門書と勘違いしてはならない。
(著者を擁護しておくと、本書は『君主論』に書かれていることを解りやすい例と解説で説明しており、その内容には大きな間違いはない。ただ、あくまで本書は「エンターテイメント」として評価すべきだと言いたいのである(実用という観点から読んでしまうと、上述のような高評価をつけることは難しくなる))
個人的には完全にツボにはまる内容だった。
著者らの見事な想像力とニヒルで的確な表現には脱帽の一言。
このぶっ飛び方はかなり好きである。
エンターテイメントとして十分な面白さを十分に備えつつ、知的でかつしかけが多い。
おかげで寝不足になってしまった。
さながら、小学生版「バトル・ロワイヤル」の雰囲気を醸し出しているが、そこまで血生臭くはなく、マイルドである。
それでいて、純粋なエンターテイメントとしてはこちらの方が上手であるように思う。
(『バトル・ロワイヤル』はやや生真面目なところがあり、設定を考えても、「エンターテイメント」としてのプレゼンスはどうしても本書に劣ってしまう)
最後に。
費用対効果が'○'なのは、あくまで「楽しめる」という点でであり、実用性が高い、という意味ではない。
何度もしつこいが、本書は「楽しんで」読むことが涵養。
内容の面白さは確実に保証できる。