知人の・・・いや、イニシャルも止めておこう。
彼は何も悪くはない。
彼が私のことをどう思っているかは知らないが、少なくとも私は彼に恨みは抱いていない。
ただ、どこかで彼に対してそのような優越感を感じていたのかもしれない。
今回のことは私のそのような傲慢が招いた不慮の事故、である。


首を絞められた。
後ろから、しかも片手で。
彼はそんなに力がありそうに見えず、しかも片手だったので、容易にふりほどけるだろうと思っていたが、首のどこにめり込んだのか、なかなかその手をふりほどくことが出来ない。
そうこうしているうちに、彼がパニックのようになって絞めている手にすさまじいまでの力が加わってきた。
さすがにこれでは死んでしまうと思い、「やめろよ」と真剣に訴えようとしたが、声も出ず。
これは・・・本当に死ぬ。
この窮地から脱する方法を必死で求めたら、眼が覚めた。


経緯はこうである。
(もう既に記憶が錯綜している・・・)
私はかつて勤めていた塾でまた生徒を教えていた。
相変わらずのへぼでぬるい授業で、生徒にペースを握られる始末だったが、まあ、それなりに上手いことやっていた。
授業後に、かつてその塾で上司だった人がやってきて、その人と面談をする。
お互いに前の組織について一家言ありそうな雰囲気で、何やら訳知り顔で上っ面のやり取りをした。
上司は何か嫌みたらしい笑い方をしていたようであるが、それはこちらも同じだったようだ。
(嫌な会話だ)
ここまでと、件のシーンがどう繋がっているのかはよく解らない。


ある広いところ(室内)で、私と、例の知人と、もう1人が会話をしている。
私ともう1人の人は、どこか例の知人をおちょくるような態度で例の知人をからかっている。
その流れの中で、もう1人の発言に、私がキレて、その人を追い回し始めた。
で、理由はよく解らないが、例の知人もキレて、彼は畳を振り回すが、私は難なくこれをあしらう。
(このあたりやはり記憶が混沌としている)
やがて、構図は、逃げるもう1人、を追いかける私、に後ろから手を伸ばして首をつかんだ例の知人、という形になる。
私はもう1人をつかんで彼に何かしようとしている。
(何をしようとしていたのか思い出せない。よからぬことであるのはたしかだ)
しかし、例の知人が片手で私の首を押さえているのがうっとうしいのでふりほどこうとする。
が、思いの外これが深く食い込んでいて・・・。


ジ・エンド。