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スローカーブを、もう一球 (角川文庫 (5962))

書名：スローカーブを、もう一球
著者：山際 淳司

時間の都合で表題作と、有名な「江夏の21球」しか読むことが出来なかったが、この作品を評するのにはこれで十分。
さすが、ノンフィクションの大御所たちがこぞって取り上げるだけの価値のあるノンフィクションである。

両作品ともピッチャーの心理に焦点を当てた作品であるが、これほど見事にマウンド上のピッチャーの心理を書き表した作品は見たことがない。
観客の視点から見た野球とはまた別の世界がそこにはある。
1球1球にこれだけの思いが込められているのか、と思うと、野球の奥深さを感じると共に、その野球を真剣にプレーする選手のすさまじさに感嘆させられる。

映像では伝わらない、人間ドラマとしての野球が、ここにある。
是非。