キャリアデザイン入門〈1〉基礎力編 (日経文庫)

キャリアデザイン入門〈1〉基礎力編 (日経文庫)

書評:キャリアデザイン入門〈1〉基礎力編
著者:大久保 幸夫


評判通りの良書。
「教科書的」本という位置づけも、口コミ通り。
非常に参考になる本。
勿論、ノートを作成する。


後半の「実際に身につけるべき『基礎力』」の部分は、正直抽象的かつ「当たり前」すぎてあまり参考にはならなかった。
しかし、前半の「キャリアデザイン」に対する考え方、特にその「筏下り」から「山登り」へ、という著者の(企業人)人生観の部分は秀逸である。
恐らく9割以上の企業人に当てはまる内容ではないかと思われる。
「教科書」たりうるという点は、ここにある。


「会社なんていつやめたってかまわないぜ」というよほどのボンボン以外(もっとも、お金持ちにはお金持ちなりの悩みや苦労があるのだろうが)は、皆自分のキャリアをまじめに考えなければならない。
まして、「終身雇用」が完全に崩壊した昨今の不安定で流動的な雇用状況・経済環境の中では、自分のキャリアについて考えていないことは、保険に入らずに車を乗り回しているにも等しい、非常に危険な状態である。


勿論、必読の書。
読むタイミングとしては、中学生以降、早ければ早いほど良いのだが、これを実感を持って読むことが出来るのは、入社半年以上が経過した新人より後の人だろう。
30代くらいまでであればまだ十分に間に合う。
もう自分のキャリアデザインは完璧、という人を除いて、全ての人が1度は目を通しておいた方が良い良書(ただし、前半2部のみでよい)。