アイルランドを知れば日本がわかる (角川oneテーマ21 A 101)

アイルランドを知れば日本がわかる (角川oneテーマ21 A 101)

書評:アイルランドを知れば日本がわかる
著者:林 景一


内容のない駄本。
この本は、あとがきから読むべきであった。
著者が自分で「内容のないレポート」と認めているのである。
ああ、やられた。
貴重な時間を返せ。


本書の内容は、タイトル、帯、カバー、全てを裏切っていて、単なるアイルランド紹介となってしまっている。
あらん限りの知識をまき散らして、あれもアイリッシュ、これもアイリッシュとしているが、そこまで広く「アイリッシュ」を定義されると、それこそ全てがアイルランドになってしまう。
何でもかんでも「ユダヤ人の陰謀」にしてしまうこじつけと何が違うのか。
(名誉のために言っておくと、述べられている事柄にはきちんと根拠がしめされているため、「嘘」はついていない。そこはさすがにエリート官僚である。だが、本書の問題定義を考えると、そこまでさかのぼって「アイリッシュ」を探し出してくることには何の意味もない)


「資源小国としての生き方」と銘打たれているから、かなり期待したのだが、そのような中身は全くないので、お間違いなきよう。
好事家によるアイルランド賛歌。
著者と一緒にアイルランドを褒め称えたいという人は読むといい。