食べてきれいにやせる!?伊達式脂肪燃焼ダイエット

食べてきれいにやせる!?伊達式脂肪燃焼ダイエット

書名:食べてきれいにやせる!?伊達式脂肪燃焼ダイエット
著者:伊達 友美


良書。
同様の本の中でも、かなり良い分類に入るのではないかと思われる。


本書で提示されている、食に関する提言はどれもしっかりとした栄養学的見地に基づいていて、(私は栄養学には疎いので直感でしかないが)まともな提言である。
本書では既存の「○○式」ダイエットに対して1つ1つ根拠を述べて反論を行っているが、その反論は正しい(と私の直感は感じた)。
「何か1食だけを食べ続けるだけのダイエット」や「とにかく摂取カロリーを減らすダイエット」など、パッと流行ってはいつの間にか収束する根拠の薄いダイエットにはまりこんでしまう人などは本書を読んで少し頭を冷やしてみると良い。


冷やすと言えば、本書の特長の1つとして、「冷え」の人のためのアドバイスがあることが挙げられる。
多くの健康に関する書物が「ふつうの」人向けに書かれているが、こういう健康本を真に求めている人は、大概「ふつう」ではない問題を抱えている。
だから、「ふつう」の人向けに書かれているアドバイスに従って、改善を試みて逆に体をこわすという事態に陥る。
(私もそれで、何度も痛い目に遭った)
本書では、例えば「食物はできるだけ生で摂る方が良いが、生の食物は体を冷やすので温かいスープを飲むようにすると良い」というような形で、「冷え」の人はどうすれば良いかという配慮がなされている。
こういう「特殊」な人向けの配慮があると、アドバイスを受けて、自分の体質だとどうすれば良いか検討することが出来るので、非常に助かる。


本書には、「冷え」意外にも、消化機能の弱い人に対する配慮がなされているが、勿論この点も本書が良書である理由の1つとなっている。
きちんと注意書きとして「胃腸が弱い人だと〜」という記述があるので、「ふつう」の人向けのアドバイスを無理に実行しようとしてかえって体を壊してしまうという事態を避けることが出来る。
同時に、これは、消化機能の弱い人にとって、食事を改善するヒントとなる。
そういう意味では、本書は、ダイエットのまるで反対のことを必要としている人にとっても、有益な書であると言える。


食を見直すきっかけとして、全ての人に読んでもらいたい1冊。
ダイエットというよりも、健康のために。
そもそもダイエットとは、日常の食事という意味ですし。