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- 作者: 浅海智晴/荒井玲子/後藤大地/柴田芳樹/萩本順三/原田洋子/平鍋健児/二上貴夫/山崎敏/山本啓二,編集部
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2006/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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著者:浅海 智晴/荒井 玲子/後藤 大地/柴田 芳樹/萩本 順三/原田 洋子/平鍋 健児/二上 貴夫/山崎 敏/山本 啓二
良書。
新米エンジニア必読の書である。
何でもっと早く読んでおかなかったのだろうと公開するぐらい良い本。
出版年からすると、目に止まっていても不思議では無かったはず(同じ出版年の『ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業』は即購入して読了しているが、こちらは何故か見逃していた。
或いは目にはとまっていたが、「私に読書法など釈迦に説法じゃわい」と不遜な態度で一蹴していたかも知れない。
だとすれば己の思い上がりを強く非難したい。
これは、読んでおくべき本であった。
あまりに重要な本なので慌ててノートを作成した。
ノート
10人の実力者の方へのインタビュー(おそらく書体からしてインタビューだと思われる)だが、ノートを作成してみると綺麗に10人の方それぞれの発言がノートに収まった。
始めから意図していたわけではない。
普段通り付箋の通りにまとめていっただけである。
つまり、読んでいる段階で、全員の方から学ぶべきことがあると感じた、という訳である。
本書が如何に優れた書であるか(外れがない、という意味で)の現れである。
以上が書評。
ここから、考察。
それにしても、さすがに現場で活躍されてきた方々のこと、仰っていることはそれぞれの経験が反映されており、十人十色の様相を呈しているが、エッセンスは共通している。
まとめると以下の通りになる。
- 本は買って読むべきである
- 本を買うことは投資であり、金を惜しむべきではない
- 新人の時に本を読んで学習する習慣をつけなければならない
- 精読すべき本と流し読みすべき本を峻別すること
- 本は出来るだけ数を多く読むこと
- 本を読んだらその内容を自分のものにすべきこと(丸暗記ではなく)
- 難しい本は、解らなくても諦めずに挑戦し続けること
- 解説本よりは原典、解説書よりは仕様書
- 本を読んだら記録をつけること
- 読んだ本の情報を共有し合うこと
※特に優先順位では並べていない(単に10にまとめてみた、というだけである)
ごく当たり前のことで、読書術といえば必ずといって良いほど繰り返されるエッセンスであるが、それぞれ現場で実際にそれらがどのように役に立ったのかという実証がついているので非常に説得力がある。
本書では、以上のエッセンスに加えて、個々の方のそれぞれの読書に関する至言が詰まっている。
職業としてのソフトウェア技術者となるものは、出来るだけ早い内に本書で紹介されている習慣を身につけなければならない。
3年後、5年後、10年後にその違いは顕著に表れてくるだろう。
今からでも遅くはない。
とにかく一刻も早く始めることである。