東京レポート4-5

帰宅前日のこの日は、昼から予定が3つきっちりと埋まっていた。
朝は基本的に死んでいるので、この日は予定をこなすだけで終了。
それでいいのだ。
それが目的で来たのだから。


前日の徹夜がたたって、というか、前日は気がついたら落ちていたんだな。
ベッドまではたどり着けたようだけど、記憶が・・・。
この日みてもらう予定のシナリオもまだ最後ができあがっていなかった。


自分の健康チェックは置いておいて、取り敢えずシナリオを仕上げることに集中する。
焦りはない。
既にできあがっているシナリオである。
後は言の葉にのせるだけ。
のせるだけ。
・・・って、それが大変なんだよ。
まあ、本当に最後の部分だけ残っていたので1時間くらいで仕上げたが。
で、メール送信してぱたんきゅー。
ちょ、ちょっと休ませてくだせぇ。


1時間ほどで復活。
お昼に約束をしているので、死んでいるわけにはいかんのだ。
というか。
あまりだらだらとしているとまたフロントから

お掃除どうしましょ

コールがかかってくるので。
あ、いや、あちらもお仕事ですからね。


むずがる胃腸を放置して、粛々と身繕い。
それから、明日の出発に備えて宅急便の荷造り。
昨日確保した段ボールはやや大きいようだ。
一回り小さいものを手に入れようと外出しようとしたが、フロントで事情を話すと

どのくらいの大きさの段ボールが必要なの

どうやらホテルにある段ボールをいただけるようだ。
せっかくなのでお言葉に甘えることにして、段ボールを見せてもらった。
が、見せていただいた段ボールではやや小さい・・・。
ほんの少し逡巡したが、せっかくの厚意なのでありがたくいただくことにした。
人様からのご厚意は、可能な限り受けるべきである。
これは「相手にものを与えると、与えた人が相手のことをより良く思うようになる」という心理学的に実証された真理である。
私の場合はそんな打算以前に、せっかく相手が自分のためにしてくれた厚意をむげに断ることなど出来ないという小心さからそのように行動してしまうのだが、それが人間関係を悪い方向には持っていくことはないので、私は私自身の気の弱さをこの点に於いてだけはプラスにとらえている。
(頼みや誘いを断れない、というマイナス面については、これはもう良い方に考えるしかない)


で、長くなったが、いただいた段ボールで、荷物の一部は段ボールに詰められないので配送を諦めて(セカンドバッグと衣類だったのでまあ、あまり大きな差し支えにはならなかった)、残りの荷物を詰めてそのまま宅急便を申し込んだ。
一丁上がり。


やや時間帯的には早かったが、これ以上長居すると部屋を掃除してもらえなくなるので、そのままホテルを出る。
中途半端な時間で、寄り道しているとむしろ遅れそうだったので、直接待ち合わせ場所へ。


駅に着いたタイミングで、先方から30分ほど遅れるとの連絡が入った。
丁度、この日の夜までに読み終えておかなければならない本(忙しいね、あんた)があったので、改札を出ずにそのまま駅でそいつを読み続けた(そいつは下の書評にある本。結局読み終えたのは一時休憩をとった夕方のホテルで。なんともぎりぎりな日程)。


駅でちょっとしたすれ違いがあったが、無事にお会いすることが出来、そのままいつもの喫茶店へ。
打ち合わせと言えば、そこしかない。
勿論、エスペラントさんである。
これで3日連続通い詰め。
学生時代を思い出した。
(学生時代は週4〜6日はそこにいた。お前はネコか。にゃー)


早速打ち合わせ。
上京後、二晩で書き上げた即席シナリオは一通り読んでいただけたようだが、どうも危惧していたとおり

セリフが多すぎる

とのことだった。
そりゃそうだ。
なにせセリフばかりの観念劇しか書けないのだ、この人は。
↓これみりゃ解る
世界を記述する

やっぱりそうか、と思い、ほんの少しだけ自らの徒労に落胆しつつも、これは私の作品ではなくて、彼らの作品なのだからと、「何を伝えたいのか」について1時間ほどヒアリングした。
その結果、何となく作りたいものの片鱗が見えてきた。
取り敢えずこの時点で、私のサンプルはボツ。
まあ、書くのは4時間くらいはかかったけれども、構想30分くらいだから別にいいやと。
いや、たとえ1週間かけたものであったとしても、彼らのイメージに合わないものならば即時に棄却するつもりでいた。
繰り返すがこれは私のための作品ではない。
私は彼らに協力するために参加させてもらっているのだ。
(まあ、ボツにしたものはいつかブログにでも上げることにすればよい。廃品回収ということ)


で、ようやくながら、求められていることが何であるかを理解した。
自分の頭の悪さには嫌気がさすが、まあ、それを見越して直接お会いしてお話を伺う機会を設けさせていただいたのだから、その先見の明でこの愚は相殺。
取り敢えず自分がやるべきことは解ったので、後の時間は雑談まがいのイメージ合わせとした。
最近の短編アニメーションや、油絵アニメーション『老人と海』の凄さ、はたまたストーリーのヒントとしての「絵本」についてのお話など、これが何の役に立つのかというとりとめのない話となってしまったが、全く意味のない打ち合わせではなかった(と信じたい。少なくとも私はそのおかげで務めを果たすことが出来たと思っている。貴重なお時間をつまらない雑談に付き合わせてしまったとすれば心からお詫びする)。
まあ、意味のあるなしに関わらず、私は話していて楽しかったのだ。
このようなお話が出来る機会はほとんどないから。
(寂しいな)


取り敢えず約束の時間になったので、お互いにやるべきことを確認して、店を出た。


次の予定までに1時間ほど空きがあったので書店・・・には寄らずに(何せ予算オーバーもいいところだったので)、その日お会いすることになっていた人に連絡をとってみた。
早めにお会いしようと思ったのだが、どうも用事があって時間通りにしか来られないとのこと。
まあ、もともと無理なお願いだったので、観念して、せっかくの空き時間を休憩にあてさせてもらうことにした。
(疲労困憊もいいところだった)
ホテルで読むべき本を読み終えるとぱたんきゅー。


結局こちらの方が少し遅れてしまった(申し訳ない。体が言うことを聞いてくれなかった)。
待ち合わせして、向かった先は・・・。
庭球場
この日は、テニス→飲み会の日程なのである。


会場には時間にやや余裕がある状態でついたが、聞かされていた時間よりも開始時間が30分遅い。
後で判明したところによると、どうも向こうの伝達ミスだったよう。
まあ、それはそれでよいと、一緒に来た方(先述の早めにお会いしようとした方)と学生生活のお話などしながら開始を待った。


て〜にすぅ
という、ふにゃけた文字が会う、この人のテニスには。
なにせ素人もいいところなのだ。
ろくに練習していないからなぁ。
そして未だにバドミントンちっくに手首でぶんぶん振り回している。
↑危険


この日はダブルスが全くだめだった。
バドラーとしては、ボレーが中心の前衛の方がまだましなのだが、距離感が解らずにアウトを連発。
パートナーの足を引っ張ってばかりいた。
逆に苦手な後ろからのフォアハンド(バドミントン打ちだとすぐにホームランになる)の方がまだまともに相手のコートに入っていた。
???よく解らん。
結局ダブルスはだめだめで、シングルスで少しはラリーをすることが出来た程度。
まあ、練習することだな。


ホテルで休憩してむしろ疲れが出たのか、テニスの最中はずっと気分が悪かった。<だから、気分悪いなら運動するなよ>
(いや、運動してもしなくても気分悪いならどうせなら運動してやれ、というよく解らん理屈で今まで突っ走ってきたので)


気分優れないままそのまま飲み会に。
あらかじめ90分遅刻する(←ひどい、せっかく集まってもらったのに)m(_ _)m とお伝えしていたが、追加で15分おくれることになった(←ひどすぎる。いったいなんだと思っているんだ)m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m コノトーリデス


幹事さんにも言われたが、この飲み会はいつの間にか私が帰る日の前日に行われるようになってしまっていた。
私が彼らに甘えているだけなのだが。
大学時代もそうだったのだが、結局、私にとってこの集団の中にいるときが一番気が楽だ。
それは恐らく、彼らが「今の」私と最も長い期間交流がある方々なので、私のことをよく知ってくれているという安心感なのだろう。
かけがえのないもの、とはまさにこのようなもののことを言うのである。<よーく覚えておけよ>
(へーい)


普段、飲み会では(体調が優れないということもあり)、常に隅っこで黙って座り込んでいる私であるが、このときばかりは一転して饒舌となり(私は本来おしゃべりなのである。それを知っている人は少ない)、貴重な時間を一分でも無駄にすまいと、お集まりいただいた方それぞれと積極的に会話を交わした。
体調不良なんのその、である(ていうか、常に体調不良)。


毎度のごとく店の閉店時間まで粘って、名残惜しいながらもお別れ。
毎度の私の投げやりな連絡にもめげずにいつも会を主催してくださる幹事さんに感謝。
素直に再会を約束できる間柄に感謝。
自分を支えてくれるものが何であるか気づかせてくれる存在に感謝。


ようやく全ての日程を消化し終え(そんなんじゃ、会ってくださった方々に失礼だ。あ〜あ、感謝したばっかりなのに)、仕事ではついぞ味わったことのない(←問題発言)達成感を感じながら就寝。
この5日間で、まともに床に着いたのは2回だけだが、この日は後顧の憂いもなく(但し翌朝寝坊の恐怖だけは体に刻みつけておきながら)、眠りにつくことが出来た。