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ベテランが丁寧に教えてくれる データベースの知識と実務 (IT ENGINEER’S Basic)
- 作者: 金宏和實
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2007/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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著者:金宏 和實
書、そのものの質は良好。
値段相応の情報量。
タイトル通りの内容。
知識と実践。
悪くない。
が。
難点が2つ。
1つは見た目やキャッチに反して、説明が不親切。
つまり、難しい。
初心者が読むとまず間違いなく挫折する。
たぶん知識編の正規化のあたりで。
で、知識編をすっとばして実践編を読んでみたとする。
最初はまあ、解る。
アクターとオブジェクトとイベントという言葉なんか意識しなくても、図を見れば一目瞭然だから。
だが、その次で間違いなく固まる。
何の説明もなく詳細ER図が出てくるからだ。
そこからテーブル作成・正規化まで一気呵成。
かみ砕かれた解説は一切なし。
そしてそこから今度は突然実務ベースのストーリーが始まる。
そのストーリーに登場する新人君の優秀なこと。
そんな優秀な新人さんはいません。
理解力ありすぎ。
頭切れすぎ。
とまあ、要は、この本がデータベースに関する1冊目の本です、という人は間違いなく挫折しますよ、ということ。
IPAの参考書で2〜3冊勉強して、尚かつ1年くらいはデータベースに関わる(必ずしも直接触れる必要はない)実務をこなしたというぐらいの状態でないと、とてもではないが読めない。
何故かMySQLのセットアップ方法が絵入りで詳しく説明されているが、そんなもの載せるくらいなら用語や概念や図の説明をもう少し丁寧に書いてくれた方がよほど親切だと思う。
これすらすらと読める人は、DBのセットアップやGUIアプリの操作なんて自分で出来るから、間違いなく。
難点のもう1つは、「実践」という割には実例が少ないということ。
具体的には、テーブルの実例が少ない。
類似本を比較していないので確たることは言えないが、「正規化崩し」のようなパフォーマンスチューニングのテクニックを(中途半端に)載せるくらいなら、違う要件の事例を2つ3つ載せてくれる方が役に立つと思う。
実際に、この本を手に取る人のやりたいことは、恐らく(私と同じで)データベースの設計だろう。
であるとすると、トップダウンのデータベース設計の事例が1例だけ(しかもほとんど解説なし。学んだことがある人でないと読めない)というのは、ちょっと物足りない。
結論。
非常に勉強になる本(従って、どこかのタイミングでは一通り読んでおくべき本)だが、すぐに(実務に)役に立てるのは難しい本。
データベース作成の事例集なんか、ないのかな。
あったら絶対売れると思うんだけどな。