会社の電気はいちいち消すな (光文社新書)

会社の電気はいちいち消すな (光文社新書)

書名:『会社の電気はいちいち消すな』
作者:坂口孝則


良書。
前作(『営業と詐欺のあいだ』)ほどのパワーはないが、「冷たい頭と熱いハート」は健在。


本書は節約に関して、一般的に行われていることに対してそれぞれの効果を論理的に検証し、効果のないもの、逆効果であるものに対してはその対案を示している。
そういう意味ではねちっこい批判の書なのであるが、この著者の著作の優れている点は、きちんと「ではどうしたらよいか」を示しているところである。
実際に示されている案がどれだけ効果的かどうかに関しては、実践してみるしかないが、少なくとも筋は通っている。


『千円札は拾うな』に通じるところのある啓蒙の書である。
必読書ではないが、一読の価値はある書。
会社の「経費削減」方針に疑問を持った人(たいていの人は「疑問」を持つ者だが)、自分が「視野狭窄」に陥っているのではないかと危惧している人は是非読んでみると良い。