入門Redmine Linux/Windows対応

入門Redmine Linux/Windows対応

書名:入門Redmine Linux/Windows対応
作者:前田 剛


購入当時、Redmineに関する本(和書及び翻訳書)でめぼしいものは本書ぐらいだったので、評価のしづらいところである。
読んだ印象(と実際に活用した印象)としては、費用対効果の悪い本、となる。


情報の質・量だけで言えばWebの方が圧倒的に上である(ということを言ってしまうと、身も蓋もないのだが)。
紙であることの利点は

  • 一覧できる
  • 通して「読む」ことで概観を把握できる
  • マーキング出来る
  • モニタを眺めるよりも疲れない

などがあり、当然本書も紙であるから、これらの機能は備えているのだが、その点を加点してもまだ本書の評価はかけた費用に見合うだけのものとはならない。
単純に、盛り込まれている情報の質及び量の問題である。


オープンソースは確かに未知の部分が多いが、だったらそれはそれで自分で検証(ソースは公開されているわけであるから)すればよい。
本書の情報が未検証だというわけではないが、「よくわからない」まま放置されている部分があまりにも多い。
本書を手がかりに「導入」くらいは出来るのだろうが、「運用」に際しては本書の情報だけでは不十分で、「カスタマイズ」ともなると本書はまったく役に立たない。
「カスタマイズ」可能な点がRedmineの大きな利点なのであるから、これは大きなマイナスである(この辺りを「検証」して欲しかった)。


Redmineて何が出来るのだろう、とパラパラめくる分には本書は向いているのかもしれないが、それだけである。
高い買い物になることは間違いないので、どうしても必要なら持っている人に借りるのが最適解であろう。