第三次世界大戦 新・帝国主義でこうなる!

第三次世界大戦 新・帝国主義でこうなる!

書名:第三次世界大戦 新・帝国主義でこうなる!
著者:佐藤優, 田原総一朗


この手のテーマが重たい本は、読んだときにしっかりと評や所感を書き留めておかなければならない。
後から思い出して書こうとすると多大なコストがかかる。
かといって、これだけの本を読みっぱなしでは大きなロストである。
しかしなぁ。
忙しい時にはさすがに書ききれないからなぁ。
読む本もタイミングによって選択する必要があるのかもしれない。
本書は示唆に富む良書だったので、またノートを作成するタイミングで内容に関しては詳述することにする。


佐藤優という人物は本当に底が知れないおもしろさを持っている。
インテリジェンスの鏡のような人物である。
この間サンプロでテレビ初出演していたが(このことも書こうと思っていたが、結局書けずじまいだった。その日のサンプロクルーグマンと2本立て目玉ゲストであり、改めて田原氏の人脈と影響力の大きさに感嘆したものだ。しかし、ノーベル経済学者のクルーグマンのインタビューが今ひとつおもしろみに欠ける内容で終わってしまったのに反して、佐藤氏のインタビューでは、出演者全員が度肝を抜かすような(あの高野氏でさえ「考えもしなかった」と驚愕していた)オバマ演説の分析をやってのけた)、そのインタビューでも「これは本物だ」と思わせるような鋭い分析を披露していた。<書評そっちのけで自分の書きたいことばかり書くなよ>
(へい)


上述したように(あまりにもごちゃごちゃ書いたのでどこだか解らなくなってしまったが)、本書の内容に関しては後日また扱うことにする。
(というよりも細かい内容を覚えていない)
"9.11"以後の国際情勢を整理し、これからの世界の動きを推測する上で外すことのできない一冊であることは間違いない。
殊、外交問題には疎いこの国の人間は、本書を読んで現在この国が、混迷さを極める世界の中でどのような状況に置かれているかを学習する必要がある。
政治家を始めとして、この国の人間は、未だに「冷戦」以前の古い国際感覚でしか国際情勢を理解できていない。
『第3次世界大戦』とは、あまりにも大袈裟であり、幼稚な表現だと断じてしまうには、本書が警告している内容は看過できないものがある。
そのくらいの危機感をもって、国際情勢を理解し、この国の有るべき姿について考えなければならないときなのだということをこの対談に付けられたテーマから読み取るべきである。


2点、ほとんど覚え書きになってしまうが、記述しておく。
1点は、本書で語られている「天皇家」のお世継ぎ問題に関しては、私は田原氏の方が筋が通った考え方をしていると考える。
この点に関する佐藤氏の意見は非論理的である。
まあ、信仰は理性と共存できるというカントのお言葉もあることだから、佐藤氏の言っていることも解らなくはないが、国民の大半は田原氏と同じ感覚を持っていると思う。
もう1点は沖縄独立論についてである。
私は、佐藤氏が語る沖縄独立案はこれまで聞いてきた中でも最も現実的で、或いは実現可能かも知れないと思わせる内容であると思うが、それでもやはり、私は沖縄は独立できないと思う。
理由は明白で、人材が不足しているからである。
教育水準が低く、優秀な人材は「本土」に行ったきり返ってこない、若者の民度が低い、という現状では、「独立」など夢のまた夢のまた夢にしか思えない。
佐藤氏のようなインテリジェンスを500人くらい揃えられるなら話は別かも知れないが。
この「教育」という問題を根本から解決しない限り、あの島はこれから先もまだまだひもにぶら下がったままのお荷物で有り続けるだろう。


書評と関係のない話ばかりとなってしまったが、本書そのものは日本国国民として、一読してしかるべき重要な書である。