できそこないの男たち (光文社新書)

できそこないの男たち (光文社新書)

書名:できそこないの男たち
著者:福岡伸一


福岡氏の本だったからかもしれないが、期待過剰だったようだ。
或いは、私がこの類の論に慣れてしまっているからかもしれない。
新奇性はあまりなかった。


どちらかというと、本書は本論の方ではなく、おまけの部分(福岡氏の新書ではおなじみになった学会の裏話の類)の方が面白かった。
そのぐらい。


動物としてのヒトは、女性が基本型で男性はその「出来損ない」であるという本書の主題も、「アンドロゲン・シャワー」として有名な話であり、本書が特にその論に新しい観点を添えているというようには見えなかった。


勿論、さすがは福岡氏、読んでいて退屈だと感じさせるようなことはなく、勉強となるような情報が満載ではあった。
が、この類の話は特にこの書籍で読む必要があるものではない。
(勿論、この書籍で読んでも良い。だから、表紙や帯の文言に新奇性を感じた人は、本書を読んでみると良い)
読んでも損をすることはないが、敢えて積極的に読む類の本ではない。
興味のある方は、ご自由に。