書名:「婚活」時代
著者:山田昌弘, 白河桃子


良書。
現代の「結婚事情」について、解りやすくかつ整理された情報を提供している。


「晩婚」「非婚」と言われている中で、実際に私たちに入ってくる情報は、同期の誰それが結婚した、とか、先輩が結婚するらしいといった、「結婚する」という方の情報でしかなく、肝心の「結婚しない」「結婚していない(するつもりがない)」「結婚できない」といった「負の」情報は伝わってくることがない。
(当然といえば当然だが)
従ってほんとのところ、いったい状況がどうなっているのか、は本書のようなマクロの視点から行われた調査・研究によってしか解らないのである。
(勿論、調査・研究がどのような「結果」を示そうとも、我々にとって本当に意味があるのは、自身やその周囲の個別具体的なことであることは言うまでもない)


山田氏の切り口、視点は毎度のことながら斬新で、示唆に富んでいる。
「婚活のすすめ」の部分は、はっきりいって余計なお世話であるが、まあ、それは「結婚したい」と考えている人ににとっては役に立つんじゃないかな。


現在のこの国における「結婚」事情を知りたいと考える人にとっては、絶好の書であると言える。
この国が抱えている「少子化」問題の根本原因の1つでもあるから、社会問題に興味のある人は取り敢えず読んでおくべき書であると思われる。
単純に読み物としても面白いので、お勧め。