汝無能につき解雇する


という命令ではないのだが、私にとってはそれに等しい勧告がついにやってきた。
まあ、私は常に最大限に悲観的な想像をするので、大袈裟なのは解っているのだが。


単に「許可のない」深夜・超過時間残業が禁止になっただけの話。
ま、以前から何度も注意はされていたのだけど、今回は部長直々のご命令。


昨日までの分に関しては深夜・超過残業を報告するように、ということであるが、私の場合もう既に今週の頭で所定の残業分を使い果たしているので、相当な時間になる(加えて、明日以降1分も残業してはいけないことになる)。
「早く帰れて良いではないか」「残業した分の給料がもらえて良いではないか」と述べる人は余程の単細胞か、弱者の痛みを知らない鈍感な強者のいずれかである。


私も好きで残業しているわけではない(というよりも21時台で帰れない日はまともな夕食を摂取できないからこれが続いている現在は実は危機的な状況なのである)。
工程通りに仕事が終わらないから残っているのである。
では何故終わらないのか。
能力が求められている水準に到達していないからである。


この状態で残業を管理されるとどうなるか。
早く帰るとなると、その分遅延が拡大する。
無理に残ると残業代が発生する。


前者は締め切りを守れないので無能、後者はこなしている仕事の割に高いコストがかかっているのでやはり無能、ということになる。
欧米では当たり前なのかも知れないが、決められた時間内でどれだけの仕事が出来るかがその人の能力なので、そこをはっきりさせると能力の差が完全に露呈する。
会社としてはコスト削減のため、能力の低い人間は、降格・降給、或いは首のすげ替えを考えるだろう。


これはまあ市場という競争の中で利益を出すという宿命を帯びている会社としてはごく当たり前の話で、私も別にそれそのものは否定しない(コマーシャリズムとの闘いはまた別の話である)。
ただ、それによって否定されるのが私だということだけだ。


まあ、別にいいや。
今まで(この問題を抱えた身体と無能ぶりで)解雇されなかったのが奇跡なくらいだから。
辞めろと言われれば素直に辞めるさ。


(が、皮肉にも、同じタイミング(この前日)でランクが上がったとの通達があった。こんな無能な人間のランク上げて大丈夫なのかね?)


ただ一言言わせてもらえるとするならば、人間には、サービス残業する権利も過労死する権利も自死する権利もそれら全ての自由もあるものだと私は思うけどね。
サービス残業しても過労死しても会社を訴えませんという法律上有効な文章でも書けばいいのかな?
まあ、そんなことしたら「強制」と区別がつかなくなるから駄目か。
個人的には、危険からの保護よりも自由の方を尊重するんだけどなぁ。
生命至上主義とか大嫌いだし。
まあ、そんな風に考えてしまうのも、私が無能だからなんだろう。


ここは馬鹿みたいに(深夜・超過)残業が管理の対象になった(事実上出来なくなった)という事実に喜んでいるふりでもしてみよう。
そのうち私の無能ぶりが露呈してなにかカタストロフなことが起こるんだろ。
わーい