打たれ弱~いビジネスマンのための ゆうき式 ストレスクリニック (Nanaブックス)

打たれ弱~いビジネスマンのための ゆうき式 ストレスクリニック (Nanaブックス)

  • 作者: ゆうきゆう,ソウ
  • 出版社/メーカー: ナナ・コーポレート・コミュニケーション
  • 発売日: 2008/02/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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書名:打たれ弱~いビジネスマンのための ゆうき式 ストレスクリニック
著者:ゆうきゆう, ソウ


良書。
現代版『こころの処方箋』と言っても良い。
表紙やタイトルや帯から、何か「アキバ系」「癒し」の香りがするが、中身はいたって真面目な話なので引かずにまず読むべし。


・・・いや、もし10何冊の中の1冊じゃなかったら、私も買いづらかったかも・・・。


この人の本は以前にも読んでいるが、語り口が軽妙で面白い(ややオタク気味なのは現代風だと思えば気にならない程度なので、忌避しないで欲しい)。
前に読んだのは、エンターテイメントよりな本だったが、本作はストレス対処法としての実用的な提言がいくつも述べられている。
内容も、ライトな語り口からは想像出来ないほどしっかりとした根拠のあるものである。
心理学の実験から判明した人の傾向(あくまで「傾向」。著者も述べているが、勿論当てはまる人と当てはまらない人がいる)について、解りやすい(?)具体例を挙げながら説明している。


ストレスに対処することは、まず己を知ること。
それはすなわち「人間」という生き物の習性を知ること。
思い詰めてしまう人、落ち込んでしまう人、何もかもが上手くいかないと感じてしまう人(当の本人にとっては、実際に「何もかも上手くいっていない」のだ)が、なぜ「そうなってしまうのか」理解するのに役に立つ。
それがすぐに解決に結びつくことはないが、少なくともそれを「知る」ことで、冷静さを取り戻し、対処法を考えるだけの気力が湧き、何よりも自分をあまり責めずに済む。


ちなみに、心理学を利用して人を操作するということも可能であるが(その最たるものが「コマーシャル」だ。にっくき私の宿敵!!)、この本に関しては、「どうすればお互いに気持ちよくなれるか、上手くやっていけるか」というwin-win関係の構築という視点で述べられているので、そちらはあまり期待しないこと。


「疲れている」人は勿論、なるたけ多くの人に読んで欲しい。
上司は部下の気持ちを、部下は上司の気持ちをより上手くくみ取れるようになるはずだ。
家族や恋愛関係においても有効な知識。


対話形式で難解な用語もなく、頁数も少ないのですぐ読める。
是非。