最後の息子 (文春文庫)

最後の息子 (文春文庫)

書名:最後の息子
著者:吉田修一


同期の方から貸して頂きました8弾。
・・・。
実は書評を書く段階になって、タイトルを失念してしまった。
著者も知らなかったので万事休す・・・とはならない。
勿論、ネットという強力なツールがあったのでした。


それだけ本書の印象が薄かったというか。
結局「閻魔ちゃん」「○○」という単語で検索して見つけた。
要はそれ以外はほとんど覚えていないということで。
多読乱読の弊害はこのようなところにある。゜


3作品が収められているが、まあ、読めるものだったのは最初の1作。
2作目は面白くなる予感があったのだが、最終的に中身のない作品であったことが判明。
3作品目に至っては、最初から最後までダメ丸出し。


好みにもよるのだろうが、私は、青春ものはこの作品のようにどこか(汗)臭いものは受け付けない。
しかも、どこがどう「ストイック」なのかさっぱり解らないし。
小説ではないが、『炎のランナー』ぐらいの爽やかな作品でなければ駄目。
或いは青春・恋愛なら三田誠広のような美しくプラトニックな作品。


臭いと言えば2作目は非常に「漢」臭い話だが、中身はない。
同じ「漢」が前面に出ている、濃厚な小説でも、三島の『潮騒』のような力強くさや美しさがない。


1作目は完全なエンターテイメント小説として読めば、まあ読める。
物語は破綻しているし、中身もないのだが、キャラが立っていて面白い。
どうせなら終わりはもっとカタストロフィにしてしまえば良かったのに、真面目にまとめてしまったあたりが良くない。


ちなみに同性愛を扱った青春小説と言えば、福永武彦の『草の花』が秀逸。
本作を読むぐらいならこちらを読め、と。
(少しぐらいフォローしろよ。相変わらず性格悪いな)
夜のお仕事に従事する欠落者たちの話なら勿論浅田次郎
或いは5作目くらいまでのIWGPby石田衣良
(そうやってなんでもかんでも比べるのよせよ。自分の物差しで判断しろよ)<まあ、他作を持ち出さなければならないということは、筆力と表現力がないことの表れ>