すぐに使える!  ビジネス文章の書き方 (PHPビジネス新書 45)

すぐに使える! ビジネス文章の書き方 (PHPビジネス新書 45)

書名:すぐに使える! ビジネス文章の書き方
著者:高橋昭男


この本は買ってはならない。
(と書くと、「『買ってはならない』は買ってはならないなどという際限のない批判合戦に発展する危険性があることを覚悟しつつ敢えてこう言う)
ひどい本。
なんでこんな本出すかな。
PHPビジネス新書は役に立つ本を出している、というせっかくの好印象が台無し。
「すぐに使える!」などと銘打っているが、この本で使える情報はほとんどない。


この本の問題は非常に単純である。
要はこの本、「文章術」の本ではない。
かといって、「ビジネス文書」(何でタイトルがビジネス文章なんだろ。敢えてビジネス文書よりも広い意味でとろうとしたというならば、それはそれで「適切な」(勿論皮肉の意味で)タイトルということになるが・・・。だとすればタイトルを読んだ時点でこの本は買うべきではないと判断すべきだった)に関するルールや有益な情報などがまとめられているわけでもない。
単に著者のぼやきが延々と述べられているだけ。


出だしから「差別用語」を扱っている時点で、いやな予感がしたが、結局全編にわたってこの人の「主張」が述べられているだけで、これのどこが「ビジネス文章」の書き方なのか(文中で企業の商品に対するクレームの話が出ているが、まさにこの本こそクレームの対象ではないか)。


せめて偉そうに講じているくらいだから、素晴らしい例文を見せてくれるのだろうと思ったが、最後に掲げられていた「お詫び文」のひどいこと。
お客様に対して「我慢していただきたい」なんて書くか?


この評が私の偏見だと言うのならば(偏見なのは認めるが)、実際に読んでみるといい。
なぜ「偽装はいけない」という話が「文章の書き方」というタイトルの本に出てくるのか解る人がいたら、是非私に解るように説明してていただきたい。
公序良俗に反しない」のは当たり前で、どうしたら反しないような文章を上手く書くことが出来るかを説明するのが本書の役割ではないのか?


余白も無駄に多く、情報量も値段不相応。
かけた時間をまるまる返して欲しくなるような、ひどさに輪がかかった悪書。
私はこの著者の本を二度と読むまい。