はぁ。
・・・・・・。
はぁ。
・・・・・・。
・・・・・・。


人間の質を考える時、決まって絶望的な気分になる。
あたかも世界の終わりのような救いようのない絶望感だ。
いや、むしろ世界なんて終わってしまえとすら思う。
己の無能ぶりが、どうしても許せない。


自分の生きる価値が見いだせないでいる。
自分が行う全ての活動に於いて、自分よりも良質の人間がいる。
自分には存在意義がない。
せいぜいこの駄文を量産する能力ぐらいだが、こんなものなんの役に立つのか。
しかも、この程度のひどい文章、たかが知れている。


無能ぶりに怒りを感じるならその怒りをエネルギーに変えてがむしゃらに練習すればいいのに、それもやらない。
練習しない自分に憤りを感じるが、胃腸が痛くなるだけで結局練習しないので下手なままでストレスを上塗りしていくだけ。


ショートサービスを4本連続でミスした。
いや、もっとか。
とにかく1本もまともに入らなかった。
上着が邪魔で、とか、胃が痛くて、とか、腕が疲れていて、とか、相手のプレッシャーが意外に強烈で、とか、コートに慣れていなくて、とか、言い訳は聞きたくない。
要は下手なのだ。
下手なのにまともな練習をしていなかったのだから、入るはずがない。
当然の報いだ。


今日は最後から2ゲーム目まではあまり悪くはなかった。
最後から2ゲーム目でどうも胃の調子がおかしいと感じ、ゲーム後に(そのゲームはなんとか勝った)胃薬を探したが運悪く所持しておらず(いや、メンテナンスしていないあんたが悪い。ていうか胃薬がなければ運動も出来ない今の状態を何とかしろよ)、腹をくくって本日最後の試合に臨んだのだが、以上の有様。
目も当てられない。


どうも季節の変わり目らしく体調を崩しているようだ。
昨日もまた懲りずに1人で歌いに行ったが、これまで経験した中でも最悪の部類に入るひどさだった。
去年の夏からこれまでにもまして極端に食が細くなってから、明らかに体力が低下しているのだが、ついにカフェインがないとしゃべることすらまともに出来ない状態になったらしい。
カフェインが入ったら入ったで、ただでさえ過敏な神経の感度が何倍にもなって恐ろしい状態になる。
まあ、これまでの不養生がたたったのだと思えば自分以外の誰も責められないのだが。


体調が崩れているのはいつものことなのでこれは言い訳でしかない。
言い訳は許さない。
特に今宵は。


しばらく土曜バドがなかったので、日曜バドに行っている。
(この件に関しては以前に書いた)
先日書いたが僥倖にも練習場所を確保できたので、来週から土曜バドが復活するが、しばらくは日曜バドも続けようと思う。
己の甘さを鍛え直さなければならない。
そのような下手な人間が人に何か教えられると思ったら大間違いだ。


とにかく下手なのである。

動きに無駄が多い、モーションが大きすぎる。

全くもってその通り。
これまで私にとってバドミントンとは踊りと同じようなものだった。
自分のイメージした通りに身体を動かす。
右に、左に、前に、後ろに、十分に引きつけてフルスイングする。
くるくると回りながら腕を思い切り振り、シャトルを打ち返す。
その感覚に酔っていただけなのだ。
だからかぶりは大きくても返ってくる球はたいしたことがない。
典型的な見かけ倒し。


下手なら下手らしく下手そうに愚直に動けばいいのに、自分の身体イメージに捕らわれていて無駄なモーションをやめようとしない。
ならば勝ち負けなどにこだわらず、(普段やっているとおりに)他人の忠告にも耳を貸さず、マイペースでやってればいいのだが、どうもそれも出来ない。
人から指摘されるとえらく応える(でも指摘していただけることのありがたみは十分承知している)。
ペアの足を引っ張ったり、完敗したり、ミスが続いたりすると幾何級数的に落ち込む。
生来の負けず嫌いの性格はなくすことは出来ないらしい。

「あんた、落ち込んでるんだって?」
「・・・はい。」
「へーえ、あんたいっつも暗い顔しているから落ち込んでいたって解りゃしないわよ」
「・・・はい。」
「ばっかじゃないの。そんなに自分が可愛いの?」
「・・・はい。」
「なーんだ、いつもとおんなじじゃない。」
「・・・はい。」


気持ちの切り替えが出来ない。
ずるずると深みにはまる。
すぐに自己嫌悪に陥る。
もはやプレーが続けられないほど自分で自分を追い込んで自滅する。


もともとキレやすい子供だった。
自我が確立していない頃はその全てを外に発散して周りに多大な迷惑をかけていた。
過剰自己防衛だった。
これをどうにか制御して、他人に害を及ぼさないように努力した結果、その全てが自分に向くようになった。
全てを自分の責とし、全てが自分の誤りであり、対立すると間違っているのは常に自分だと思うようになった。
些細なミス、たった1つのミスから自己嫌悪が始まり、事態をより悪くし、最後には自分で全てを台無しにしてしまう。
大学のゼミもそう、就職活動もそう、相手に言われるのが怖いから、その衝撃に耐えられそうにないから、先回りして自分で自分を責めて一切を駄目にし、相手に許しを請う。
小賢しい自己防衛。


中途半端に器用で、何事もある程度はそつなくこなし、本当は気が弱いだけなのに、とにかく態度が小さくすぐに誤る人を持ち上げる傾向にある(最近はそうでもなくなってきたが)この国では礼儀正しいと評価され、大人受けする性格を「優等生タイプ」と呼ぶ。
この人は典型的な優等生タイプだった。
優等生タイプにも2種類あるが、これは簡単で要は見せかけ通りの実力があるかないか、である。
この人は自分でも暴露しているとおり、実は何事においても何をやらせても駄目な無能者である。
が、中途半端に器用だったので、これまで叱られたり指導されたりする機会を持ち前の小賢しさでかわしてきた。
そうするとどういう人格が出来上がるかというと、ひたすら打たれ弱い軟弱な性格となる。
人に注意されることに弱い。
いつもびくびくしているが、びくびくしないで済むために人一倍努力しようとはしない。
上手く立ち回ることに慣れすぎているのである。


もううんざりだ。
一文の足しにもならない小賢しさは捨てて、少しは愚直な努力をしたらどうだ。
厳しい現場に踏みとどまって自分を鍛える努力をしろよ。
身体の弱さや神経の細さを言い訳にするなよ。
人より弱いなら尚のこと人以上に努力や苦労をしろよ。


今は慰めてくれるような人がいないことを切にありがたく思う。
胃腸には悪いが、ここは逃げるべきフェーズではない。
己の駄目さに立ち向かうべきフェーズだ。