12人のヴァイオリニスト

12人のヴァイオリニスト

この人の演奏、あるいはプロデュースしたCDは既に4枚ほど聴いているのだが・・・。
何か合わない感じがしていた。
その感じを上手く表現できないでいたが、このCDを聴いてようやくこの感じがなんであるのかが解った。
要は、明るすぎるのだ。


同じ曲でも演奏方法によって明るくもなれば暗くすることも出来る。
「明るい」「暗い」とはあまりにも身も蓋もない判断基準でこの人の素人ぶりが露呈しているのだが、知ったかぶりなんかしてもしょうがないでしょ。


結局、誰しも音楽には求めるものがあり、私にとってのそれはカタルシスであるというだけなのだが、感傷的な曲のそれも感傷的な演奏が好きなのは勿論それを求めているからである。
(何か本当に身も蓋もない話になってきたな。単純に好き嫌いのレベルの話じゃないか)<悪いか>


この人の手がけるクラシックはなぜか皆浮き立つような軽快さがあふれ出ているのだが、少なくとも私は(クラシック)音楽を聴いてワクワクウキウキしたいとは少しも思わない(嗚呼、書いただけでふらふらする)。
だから、チャルダーシュを聴いても、カノンを聴いてもどこか楽しげで喜びに満ちあふれていてとてもじゃないがついて行けない気分になるのである(逆に例えば姜建華の演奏する二胡だと「ダッタン人の踊り」でさえ切なさに身もだえしそうな気分になる)。


・・・これでも誉めているつもりなのだけど・・・。