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- 作者: 鮑十
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/11
- メディア: 単行本
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著者:鮑十(塩野米松:訳)
学生の頃流行っていた映画。
私はこれを語学の授業で見た。
こういうのは嫌いではない。
どうでもいいが、この映画を思い出す度にRikkiの「初恋のいた場所」という歌を思い浮かべてしまう(そして大概は歌い出す。ちなみにいい歌です)。
この2者には何の関係もないのだが(むしろ姜建華の同名のタイトルの曲を思い浮かべるべきなのだろうが)。
恐らく時期がかぶっていたから印象に残ったのだと思われるが、まあ、それはどうでもいい話。
あとがきで述べられているように、原作と映画とでは微妙に設定もストーリーも異なる。
インパクトは圧倒的に映画の方が強い。
この点ではさすがに映像の優位を認めざるを得ない(ダンサー・イン・ザ・ダークもそうだった。もっともそちらは本から入ったから、映像がそれを増幅したというのが正確な表現となる)。
機会がある時にもう一度みたい映画ではある。
とはいえ、本の落ち着いた雰囲気も好きだ。
この手の話は失われたものへの郷愁をかき立てる。
素朴、実直、人情、純情、のどかな田舎、純朴・・・。
実はそれらは失われたものではなく、もともと存在しなかったものなのであるが(この辺はラース・フォン・トリアーの作品、特に『ドッグヴィル』を見るとよく解る)、感傷に浸るだけなら、そのようなノスタルジーは害のないものである。
美しい話は現実ではないからこそ美しいのかも知れない。
だから美に耽溺するものは現実では不適応者となる。
人は美だけでは生きていけない。
でも・・・。
もしもあなたが猫だったら?―「思考実験」が判断力をみがく (中公新書)
- 作者: 竹内薫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 新書
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著者:竹内薫
もうタイトルで新書に期待することはやめた。
ブーム以来の新書は、人の目を引くためにセンセーショナルなタイトルをつけるが、中身とはまったく関係のないことが往々にしてあるということを学んだからだ(奇しくも新書で。これ→『食い逃げされてもバイトは雇うな 上』)。
本書は単に竹内薫というネームバリュー、正確には『99.9%は仮説』の実績を評価して購入した(さらに正確に言うと、『99.9%は仮説』の内容自体は既知の概念であったので、同書が特に鮮烈な印象を与えたというわけではない)。
思っていたのよりかなり理系の書だった。
いや、「思考実験」というから、つい哲学を期待してしまっただけなのであるが、そもそも本来の思考実験が貢献した分野といえば、確かに圧倒的に理化学分野なのである。
本書に(狭い意味での)哲学を期待した私が間違っていた。
内容に関しては、理系の人間には常識的なものばかりであっただろうが(今更エントロピーの話とかされてもなぁ、という感じ)、がちがちの文系人間である自分にとっては、自分が疎い分野への理解に役立つ書であった。
ブラックホールの仕組みなど。
それから最近の物理学界のホットな話題、超ひも理論がいったいどのようなものであるかなどの、(勿論完全に理解した訳ではないが)概要が分かっただけでも随分と儲けものだった。
文体はあまり気持ちの良いものではないが(なんか皆が知っているようなことを得意げに語る空気読めない人の語り口調のような文体だった)、全体的には分量相応の情報が詰まった良書と言えよう。
あまり思考実験にはなっておらず、思考実験を解説したものではないが(この辺は著者の問題意識がずれているのだろう。タイトル以前に。そう言う点では高い評価は出来ない。本書を良書としたのはたまたま私が欲しい知識が載っていたというだけなのかも知れない)。
それにしてもこの本はもっと「理系の分野に興味がある文系向け」ということをアピールした方が良いように思われる。
勘違いして買った人は酷評するぞ、このタイトルでこの内容だと。