9/26である。
デッドラインは確実に迫っている。
こんなことをしている場合ではないのだが・・・。


お夕食会(これがとんでもないことになるのだが)は23:00になってようやく始まった。
塾講師にありがちな、完全な夜型行動である。
もちろん半年後には社会人になるのだから、現在矯正中である。
飲み会をサボる理由も半分はここにある。


23:00過ぎに入店。
ラストオーダーまで20分。
閉店まで60分である。
まあ、なんと無謀な。
結論だけ言えば、ここで帰るべきであった。
まさか連中がそこまで無計画な輩だったとは思いもよらなんだ。


まあ、控えめに頼むのかな、と思いきや。
頼む頼む
目の前に積まれていく肉の山。
本当にこんなに喰うんかい?
しかも閉店までに。
特にテーブルのこちら側ではY氏(上述のY氏とは別の人物)がとんでもない量を注文していた。
言っておくが、私は半人前以下だよ。
しかも夕食はほとんど食べないのだ。
「食べるんだよな!」と念押ししたが、食べるとのこと。
まあ、言ったからには食べるんだろう、と放置。


そこからは・・・
地獄絵図
ひたすら
食べる食べる食べる食べる
もう、話している余裕すらない。
しかもどうやら退店までに喰いきらなかったら、追加料金をとられるとのこと。
時間との勝負。
・・・・・・。
・・・・・・。
何のための会食だ?
そもそも食べるという行為は、人間の低次欲を満たすだけの軽蔑すべき(単に私が軽蔑したいだけなのだが)行為である。
したがって私は人前で、あるいは誰かと食事をとりたいと思ったことは一度もない。
ご存知の通り、誘われたら断らないようにはしているが、それも会食には、食の快にごまかされてその人の評価が上がる、その場でしか聞けない情報が手に入る、という効用があると知っているからである。
勿論私は他人からの評価を上げたいとは思っていないから、もっぱら後者の要因でしか人と食事をすることはない。
私には"上手いものを食べたい"、"一人で食事をするのはさみしい"という感覚がよく分からない。

腹に入れば皆同じ         黒こげパンぞう

なのだし、他人がいない方が胃を痛めずに食事が出来る。
話をもとにもどそう。
場の状況は時間とともに凄惨を極めていく。
言い出しっぺのY氏はどうも限界らしい。
一番最初に脱落した。
ヲイヲイ
あんたが注文したんだよ。
仕方がないので隣の席から応援を呼ぶ。
あまり頼りにならなかったが。


さっきから人のことばかり書いているがお前は協力したのか、って?
それは勿論。
事前に胃薬を服用していたから、少しは食えた。
結局まともな一人前ぐらいは食ったぞ。
食後、皆は食い過ぎで死にかけていたが、私はまだ余力を残していた。
そうやって常に切るカードを残しておくのが大人というものだ。
第一、苦しくなるぐらいなら食わなければいいのだ。
この考えこそが、私がそれを失ったことの証でもある。


結局、time over
追加料金は取られなかったが、閉店時間10分過ぎまで粘っていたら

お帰りください

と追い出された。
極めつけは

次からは時間を考慮してご来店ください
次回このようなことをされますと入店を断らせていただくこともあります

だと。
つまり、
とっとと帰れ
二度と来んな
ということ。
いわんこっちゃない。


今回に関しては完全にこちらに非がある。
帰らずに参加したこと、注文を止めなかったことから、私も同罪だ。


しかし皆ぶつぶつ文句を言っていた。


目の前のことに全力投球出来ること。
悪いことをしても他人のせいに出来るということ。
悪いことをしてもちっとも懲りないということ。
無謀だと知りつつあえて挑戦すること。
時間ぎりぎりまで(追い出されるまで)粘ること。
暴飲暴食をすること。
先のことを考えて躊躇しないこと。
敢えてけんかも辞さないこと。
計画を立てずに行動すること。


これがすなわち私の失ったもの。
若さだ。