スマートに生きたい。
もう少しだけ、スマートに生きたい。
せめてこの冷厳な客観から逃れ、自然に、ごく自然に生きたい。
一日の終わりに自らの不甲斐なさを責め、これまでの年月全てを否定するような絶望的悲劇的運命を想像して自虐の極値に押しやるような、そんなエゴに悩まされることのない日々を送りたい。


私は断じて遅刻などしていない。
だが、彼は正しい。
そして、私も正しい。
誰も間違っていない。
適正だ。
適切だ。
そしてお互いにストレスを溜める。
想像力の欠如だ。
狭い主観だ。
他者理解など夢のまた夢だ。
それでも私は憤ることをしない。
そんなこと、始めから解っている。
期待などしていない。


ダンス・ダンス・ダンス読了。

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)

いや、実に素晴らしい作品だった。
だが、不満点がある。
おしまいの方の(ネタバレに近いのでご用心)主人公の甘えっぷりというか、弱さというか、女性的軟弱さ(フェミニストの皆さん、もっとニュートラルな表現がありましたらご紹介下さい)といったものである。
まあ、単純に言うと、引きこもり的理解してチョーダイオーラというか碇シ○ジ的軟弱男(なんだ、男でも違和感ないや)風な振る舞いというか。
そして、めちゃくちゃに強い女。
だめだ。
村上春樹はきっと女性に嫌われるタイプだ(物語の中の女性には大人気だけどね。実際にはそんな女はいねぇ)。
それとも最近はこういうのが流行なのか?
なんだか誉めているんだかけなしているんだか解らなくなってきたな。
まあ、良くいえばファンタスティックで理想的。
悪く言うとアニメチックでヲタク的。


ああ、私の六年間は・・・無意味だったのか。