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今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典 (今すぐ使えるかんたんmini)

今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典 (今すぐ使えるかんたんmini)

書名:今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典 (今すぐ使えるかんたんmini)
著者:佐野正弘, 2106bpm, memn0ck, mi2_303, 小林健志, 野々村由美, 布施繁樹, 吉川英一, 渡邉洋介


■評価:良
  情報:○ 新規性:△ 構成:○ 日本語:○ 実用性:○
  難易度:やや難 費用対効果:○ タイトルと内容の一致:△
  お勧め出来る人・用途 :Webに加えてスマートフォンの利用を考えている人・スマートフォンにおける定番アプリケーションを一覧し、自分に必要なアプリケーションを素早く揃える
  お勧めできない人・用途:従来の携帯電話からスマートフォンに乗り換えたWebの知識がほとんどない人・お勧めアプリについて1から学ぶ


■所感
 本書はWebを使いこなしており、かつスマートフォンを使い始めたばかりの人にとって最適な書である。
 すなわちYahoo!のみならず、GoogleDocsやDropboxといった既存の「クラウド」サービスを使い慣れている人にとって、自らのモバイル環境を素早く構築するために最適な手引きである。
 頭の中に既に「あのサービスの提供しているあの機能」、というようなイメージがぼんやりとでもあることが前提とされているため、Webに慣れている人ほど本書の情報を素早く活かすことが出来る。


 逆にICTの知識・経験に乏しく、「PDFって何?」というような理解度の人が本書を読んだところで完全な暗中模索状態に陥ってしまうことは想像に難くない。
 初心者にとっては明らかに情報不足・説明不足である。


 しかしこれは思うに、スマートフォンの性質をそのまま反映していると言える。
 スマートフォンの最大の利点は「"Web"を持ち運べる」ことにあるわけであるから、そもそもその前提となる"Web"を使いこなせていない人がスマートフォンなど使いこなせるはずがない。
 そういう人はいずれ使い慣れた「ガラケー」(最近は「フィーチャーフォン」と呼ぶらしい)に帰っていくことになるだろう。
 

 そう考えるとこのスマートフォンの普及、既存のICTの格差、即ち情報リテラシーの格差をより助長させる恐ろしい現象なのかもしれない。


 話がそれたが、本書はある程度のWebの知識・理解と既存のメジャーなサービスについての知識がないと半分もその情報を活かしきれない。
 私は個人的に技術者として「スマートフォン」に乗り遅れた分の急速なキャッチアップのために利用したが、そのような利用意図であれば本書は最適であったと感じる。
 情報技術スキルの中級者以上向け。