輝いている人はみな海外に行く
- 作者: 小雪
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/05/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
著者:小雪
■評価:良
情報:○ 新規性:△ 構成:△ 日本語:△ 実用性:○
難易度:易 費用対効果:◎ タイトルと内容の一致:◎
お勧め出来る人・用途 :著者の生き方に興味がある人・著者の人生に対するスタンスと日々の過ごし方から「美しく」生きるためのヒントを得る
お勧めできない人・用途:著者自身に興味がある人・著者について詳しくなる
■所感
私は、この方の作品は1度も見たことがない。
また、いかなる媒体においてもこの方からのメッセージを受け取ったことがない。
個人的に興味があるわけでもない。
では何故、この本を手に取ったか。
それこそ、この本でも何度も繰り返される「本能」という言葉以外に表現する言葉がない。
この人の生き方からは何か学ぶものがありそうだ
私の選書の勘もだいぶ磨かれてきたようだ。
この本から感じたことは2つ。
1つは、成功する人というのは、「周りの人が思わず手を差し伸べたくなるような人」であり、そのように思わせるようなオーラを放ち続けている人なのだ、ということ。
そしてそれは歪んだ心、ひねくれた頭、疲れ切った体、からは放たれることがない(従って支援の手は差し伸べられず、永遠に上昇気流に乗ることはない)。
常に目指すところがはっきりしていて、それに向かって無心に取り組み(もはやそれは「努力」ですらない)続け、常に美しくあろうとし、常に美しいことを考えている人は、自然に人を惹きつけるようなオーラを放つようになる。
そのような人は「本能」的に、どこに進めばよいか、何を選べばよいか、誰の言葉に耳を傾けるべきか、が解る。
そして何よりも、自分が今行っていることに対して迷いがない。
良い意味で「過信」しているのだ。
自分自身を。
2つめは、輝いている人は、やはり海外に行っているのだということである。
ただしこれは、海外に行った人がみな輝けるという意味ではない。
輝いている人は海外に行っている、というあくまで必要条件である。
個人的な感想ばかりで客観的な評となっていないのは恐縮であるが、本書が「エッセイ」である以上、しかも「価値観」を問う類のまじめな「エッセイ」である以上、個人的な思想・心情や感覚との関係は避けて通れない。
その個人的感覚だが、私は本書の著者の生き方について、かなりの程度、共感する。
この著者の「美しくありたい」と私の「エレガントでありたい」は微妙に違う部分はあるが、根底のところでは同じである。
「部屋をシンプルに(無用のものを片付けて)。」「食事も必要最小限でシンプルに」「あらゆる状況を肯定的に受け止める」といったスタンスは、「エレガントであること」にも通ずる(というよりは「エレガントであること」の一部である)。
(外見だけでなく人生そのものを)美しく生きたい、と望む人にお勧め。
著者をいかなる媒体でもまともに見かけたことのない私が読んでも十分に理解が出来たくらいである。
たとえ著者のことをあまり知らなくても、得るところ多々ある良エッセイであると言える。