時間もコスト

週刊 東洋経済 2010年 8/21号 [雑誌]

週刊 東洋経済 2010年 8/21号 [雑誌]

書名:週刊 東洋経済 2010年 8/21号 [雑誌]


■評価:優
  情報:○ 新規性:△ 構成:○ 日本語:○ 実用性:◎
  難易度:普 費用対効果:◎ タイトルと内容の一致:○ 注目記事:あり
  お勧め出来る人・用途 :忙しい人・最近の政治思想、経済思想のエッセンスを短時間で把握する
  お勧めできない人・用途:実学に関心のない人・純粋な思索としての哲学について最近の動向を把握する


■所感
 今話題のサンデル教授のインタビューから、『What I Wish I Knew When I Was 20』で有名なティナ・シーリグさんのインタビュー、竹中さんや野口さんの経済評論、大前さんをはじめとするオピニオンリーダーたちによる推薦書の紹介など、盛りだくさん。
 よくもまあ、これだけの人たちを揃えられたものだ。
 費用対効果を考えるとかなりコストパフォーマンスは高い雑誌となっているので、これは買い。
 人から借りて読むのも良いが、気に入った記事だけでもとっておく価値のある内容となっている(書の紹介なども良い)ので、是非自分で購入することをお勧めする。


 私が良いと思った記事は、竹中さんとティナ・シーリングさんのインタビュー記事。
 

 メインの特集の方は少し前に出た、『経済倫理=あなたは、なに主義?』から引っ張ってきたもので(2/5くらい読んだところで読みさし状態のまま放置している)、あまり新鮮さはなかった。

経済倫理=あなたは、なに主義? (講談社選書メチエ)

経済倫理=あなたは、なに主義? (講談社選書メチエ)


 サンデルさんは・・・やはり予想通り、かなり浅い議論をなさる方だと。
 『これからの「正義」の話をしよう』を購入すべきか否か(非常に嫌な予感がしたので)迷っていたところ、本記事で「あ、ようはコミュニタリアンなのね、この人は」ということが解り、つまり結論としては同書は不要のしょであることが判明した。
 私にとってはそれだけの情報でも費用対効果としては十分(書籍の購入価格&読了までに必要な時間をコストと見なすと多大なプラス)であった。


 実学重視の内容になってしまっているので、残念ながら本誌は「哲学」や「思想」のカテゴリに分類することはできないが、最近の「政治思想」「経済思想」とこの国の政党(政治)のマッピング、それから自分のよって立つ立場(経済思想上の)を整理する上で、有益な指標を示してくれる良書。
 推薦図書も厳選されていてとても良いので、是非購入されたし。
 ぱらぱらとめくるだけでも十分に価値のある1冊。