死ねればいいのに

死ねばいいのに

死ねばいいのに

書名:死ねばいいのに
著者:京極夏彦


■評価:良
  物語:○ 情報:ー 斬新さ:○ 意外性:○ 含意の深さ:○ ムーブメント:○ 構成:△ 日本語:△
  難易度:やや難 費用対効果:○ タイトル:△
  お勧め出来る人 :生きることの気力に満ちあふれている人
  お勧めできない人:死んでもいいかな、と思っている人


■所感
 京極さん、言いたい放題。


 ただ、正論といえば正論。
 しかしねぇ。
 「生きて」いくためには自分を騙していくしかないのですよ。


 内容は一言でまとめると「サルトルの自由論」。
 要は、「人のせいにするな言い訳するなあんたはあんたの意志でそれを選んだのだから文句を言うな文句があるなら行動せよ」と。
 で、純情な人は「死ねばいいのに」と言われたら「そうだね」といって死んでしまうのである。


 京極さんといえば、ご存じ「京極堂シリーズ」(とご本人は呼ばれることを嫌がっていらっしゃるらしい。なんとお呼びすればよろしいでしょうか?)だが、こういう作品もおかきになっている。
 『どすこい』とか『パラサイト・デブ』とか『どすこい』とか。
 (しつこい)

どすこい(仮)

どすこい(仮)


 しかし、これは究極のテーマである上に、京極さん、怖いものしらずだからタブーなんかそっちのけで本当に言いたい放題書いていらっしゃるので、実は妖怪よりもよっぽど恐ろしい話なのかもしれない。
 だって、「死ねばいいのに」と言われて反論出来ますか?


■読了日
2010/06/10