エウアンゲリオン−破

■惨事
同期の方のレッスンを見学する日、私はいつものように自転車で会社に向かっていた。
嫌な予感はした。
直前には気配らしきものも感じた。
いわゆる「虫の知らせ」というやつだ。
しかし、運命に逆らうことはできなかった。


グローブをしていたのは幸いだったのかもしれない。
だが、おかげでこの春先だけで2つもグローブを駄目にした。
勿論、ストックはない(今は替わりに黒い軍手をはめている。これはこれで満足しているが)。
救いは寒い季節はもう終わっているということくらいか。


左手に直撃を受けた。
見上げると電線の上でカラスが笑っていた。


残念ながらズボンも絶望的な状態になった。
会社に(雨の日用として)予備のズボンを用意していたのが幸いだった。
何も人の家を、しかもこれからお世話になるかもしれない先生の家を訪問する日にこのようなことが起こる必要はない。


■デマではない噂
そして、例の怪しげなヒアリングはこの日の午前中にあったのだ。
あくまでこれらは偶然の重なりに過ぎないのだが、私のような打たれ弱い人間をノックアウトするには十分すぎるラッシュだった。
地獄から天国へ。
そしてまた地獄へ。
天国への扉を手前にしつつ...。


翻弄されるがまま、運命に揺さぶられる日々。