勿論、某国策的金融機関にも預けるな、と
お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/11/16
- メディア: 新書
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著者:勝間和代
■評価:優
情報:○ 新規性:○ 構成:△ 日本語:○ 実用性:◎
難易度:普 費用対効果:◎ タイトルと内容の一致:○
お勧め出来る人・用途 :真面目に働きながら老後の資金などを蓄えたいと思っている人・正しい利殖の方法を学ぶ
お勧めできない人・用途:投資で一山当てたいと思っている人・投資で儲ける秘策を得る
■所感
勝間さんの本は、この本と「断る力」の2冊を読むと良い。
(他に2〜3冊読んでみたが、強く勧められるだけの理由は見あたらなかった)
本書は、タイトルから一見、「投資のすすめ」本のように見えるが、記述されている内容はそこら辺に山のように積んである「○○で△△△△円儲ける」という類の「必勝法」本とは一線を画している良書である。
どちらかというと副題の方が、本書の内容をよくいいあらわしているといえるだろう。
すなわち、「金融リテラシーのすすめ」である。
本書で勝間さんが述べられていることは、1つ1つどれも真っ当で正論である。
以下の5つの基本原則を見るだけでも、本書がいかにまともなことを述べているかが解る。
第1原則 分散投資、分散投資、分散投資
第2原則 年間リターンの目安として、10%はものすごく高い、5%で上出来
第3原則 タダ飯はない
第4原則 投資にはコストと時間が必要
第5原則 管理できるのはリスクのみ、リターンは管理できない
勝間和代『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』 p159
「金融リテラシー」を高めることは、著者が主張している通り、「自由な生き方を選ぶための」十分条件であり、金融に疎い我々日本人において喫緊の課題である。
おしむらくは、勝間さんの説明能力の限界である。
勿論、学者が語る金融論とは比べものにならないほどかみ砕かれているのだが、その点はセンスの問題になってくるだろう。
本書を読んで金融リテラシーを身につけたいと思った人は、まず細野さんの本から取り組むと良いのではないか。
カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 日本経済編
- 作者: 細野真宏
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/01/01
- メディア: 単行本
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著者:細野真宏
言わずと知れた、名著である。
上記のように、確かに本書は「入門書」としては、ややハードルが高い。
だが、大変素晴らしい「啓蒙の書」であることは間違いない。
一読の価値は十二分にある。