Foresight休刊に寄せて

新潮社の看板雑誌の1つ、『Foresight』が、2010年4月号にて休刊となるとのこと。
http://www.shinchosha.co.jp/info/emergency/foresight.html
雑誌の「休刊」は、「廃刊」とほぼ同じ意味であるから、20年にわたって生の国際事情を伝えてきた優良雑誌が終わりを宣言したということになる。


私は、同誌を学生の時から定期購読していた。
目的は、梅田望夫さんの、「シリコンバレーからの手紙」である。
きっかけは不純であったが、その他の記事にも目を通し、その論評のクオリティの高さと、現場取材のたまものである新鮮な情報に、毎号のように感服させられていた。


ただ、梅田望夫さんが連載を終えられてからは、やや誌面と向き合う時間が減ってしまい、昨年の夏に定期購読の更新を打ち切ってしまっていた。
しかし、本誌はそれからも、私の数少ないニュースソースとして、非常に貴重な存在であっただけに、休刊はとても残念である。


休刊の理由は「収益性の確保が難しくなったこと」と「インターネットの普及による月刊誌の位置づけの見直し」であると報じられているが、梅田さんのような「ウェブ時代」の到来を告げる方が連載をされていた本誌にとっては、些か皮肉な結末となってしまったのではないか。
これから、この業界はインターネットとの関係を否が応でも考えざるをえない環境にある。
これを機会にインターネットの存在を前提とした新しい情報発信の形式を模索した上で、見事復活を遂げてほしいものである。