タイトル:ほしのこえ
監督:新海誠


短編アニメーションを学ぼう第2弾。
で、ええっと、この作品何がすごいんだっけ?
と、考えてしまったということは、あまりのめり込めなかったということなのね。


うーん。
メッセージはよく解るんだが、それを伝えるのに本当にロボットやら異星人やら宇宙戦艦やらが必要なのか、と。
しかもそれら全部が2人の世界を語るための道具に過ぎないから、主人公は、異星人を無批判にばっさばっさと切り捨てて、そのことそのものはそっちのけでメールのことばかり気にしているけれど、それってどうなのさ、と。
というわけで、ストーリーとしては今ひとつなのかな。


ええと、何がすごいんだっけ??
ああ、これをほとんど1人で作っちゃったという事実がすごいのだっけ、か。
それは、すごいでしょう。
でも、作品は作品として評価しないと、ね。


かなり偉そうな言い方になるが、これを発展途上の作品として観るならば、かなり凄いものを秘めているクリエイターであると言えることは確かである。
(石原慎太郎が誉めたのはそういう意味でだと思う。すごい「新人」が出てきた、という感じか。彼は芥川賞の選考委員だしね)
この作品には、まだまだ発展の余地があるということ。
「完成品」としてみるといろいろと問題があるけれど、「プロトタイプ」としてならかなり高い評価ができる、というところ。


本編を観たあとに予告編を全て観たが、むしろ「予告編」の方が出来が良いように感じた。
もしかすると音楽が良かったから(使われている音楽は一級品!)かも知れないが、それを差し引いても、このメッセージだと予告編+αぐらいがしまっていてちょうど良いように感じた。
(キャラクタデザインの粗さや声優の下手さ(これはさすがに看過出来るレベルじゃないですね)が目立たなかったから、という要因もそう感じさせる要素なのだろう)


1作目の『彼女と彼女の猫』も同梱されていたので観てみたが、個人的にはこちらの方が気に入った。
単に作品の好き嫌いの問題なのかも知れないが。
しかし、猫が2次元なのは・・・まあ、いいか。


次作(『雲のむこう、約束の場所』)の予告編は、かなり期待が持てそうな仕上がりになっていたので、今度はこいつを観てみようと思う。
また、「予告編の方が・・・」とならなければ良いが。