■
- 作者: 渡辺淳一
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/02/18
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 4人 クリック: 48回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
著者:渡辺 淳一
つまらなかった。
徹底的に。
『失楽園』でもそう感じたが、やはりこの人は女性の心理を掴み切れていないと思う。
男性の心理に関しては恐ろしく的確に捉えていると感じるが。
それにしても。
本書は(おそらく著書は意図的にそうしているのだろうが)偏見の塊のような書き方で始まっている。
恋愛はすべての人々が胸に秘めている本能的な欲望です。誰でも、思春期になれば異性と近づき、互いに愛し、愛されたいと願います。
人間は「本能が壊れた」動物なので、誰しもそうだとは限らないです。
一般に「思春期」と呼ばれる時期に、私は「恋愛」というものにまったく興味がありませんでした。
また、今でもそれは興味関心の対象以上のものではありません。
「恋愛」小説や「恋愛」の心理(或いは哲学)に関する本は読みますが、自分が「恋愛」の主体になりたいとは微塵も思いません。
そして、この欲望があるから、人類はこれまで絶えることなく繁栄してきたのです。もし人々の中からこの欲望が薄れ、消滅したら、人類はたちまち滅亡してしまいます。
私はその欲望を非常に強く嫌悪しています。
私は人類など滅びた方が良いと思っています。
なぜなら、君等は素敵な異性に夢と欲望を抱いている健康な男であり、女であるからです。
残念ながら私は不健康です。
貴方の言う意味でも。
とくべつホモ的嗜好のない男なら、みなそう思い、そう願うはずです。
そもそも私は人間が嫌いです。
勿論そのようなことは願いません。
だからといってホモ的嗜好はありません。
まあ、この手の本は断言的な書き方をしなければ書けないので、そういう表現の問題については目をつぶるとしても。
(思いっきり噛みついとるがな)
肝心の「作法」に関してのみ評したとして、本書はやはり駄本である。
確かに、言っていることの中には、ある程度の正しいことが含まれてはいるが、それは特に目新しい事柄ではなく、一般的によく言われているような事柄である。
そして、それらの事実を踏まえた著者の主張する「作法」に関しては、
文面通りのことを実行すると「セクシュアルハラスメント」あるいはものによっては「ストーカー」として通報されかねない、きわどいものが多く、とてもではないが実用的ではない。
(積極的に行動すべし、の部分は確かにその通りなのであるが、問題はその行動の中身)
渡辺氏くらい魅力のある人間ならば許されるものもあるかもしれないが、凡庸な男がちょっと真似してみたところで、良くて無視、最悪は通報されてしまう。
くれぐれも自己責任で。
これを読むと、渡辺氏はやはり「もてる男」なのだということが解る。
その分だけやはりどこか感覚が「鈍い」。
さすが「鈍感力」の人。
世の男性諸君、地道に努力しましょう。
人を引き付ける魅力は、やはり努力と才能です。
勿論、人格を磨くこともお忘れ無く。
そうしないといくら「もて」ても、不幸な人生を送ることになりますよ。